対応表付き「ダイアトニックコード」を解説! コードの読み方で全てが変わる!!

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目次

はじめに

こんにちは。
意識低い系ミュージシャンの龍ちゃんです。
楽に音楽をする」をモットーに、音楽に役立つ情報を発信しています。
皆さんは、コード進行を読むときに、どのような読み方をしているでしょうか?

例えば、次のようなコード進行を見たとき。

C→G→Am→Em→F→C→F→G

当然、頭から順に「シー、ジー、エーマイナー…」という風に読むのが正しいです。
正しいのですが、そういった読み方をいつまでも続けていても、音楽が楽にできるようにはなりません。

実は他の読み方が存在します。
今回紹介する「ダイアトニックコード」という専門用語を理解することで、その読み方が可能になります。

今回紹介する読み方を使えるようになると、作曲・演奏のレベルが飛躍的に上がります。
これを理解して自分のものとして落とし込めるかどうかが今後の音楽ライフを左右するといっても過言ではありません。
是非最後までご覧ください。

記事の最後に「ダイアトニックコード 対応表」を配布しているので最後まで読んでみてくださいね。

ローマ数字で読む

早速結論から述べてしまいます。
作曲、演奏などのレベルが飛躍的に上がるコード進行の読み方、それは、「ローマ数字で読む」ということです。
音楽をやる皆さんは、どこかでこういったものを目にしたことがあるのではないでしょうか?

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ

このローマ数字の並びです。
音楽を楽にできる人は、先ほど紹介した

C→G→Am→Em→F→C→F→G

これを見たときに、脳内で

キー:Cメジャー(Aマイナー)

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ

という情報に即座に変換されます。
読み方としては「いち度、ご度、ろく度…」というのが正しいのですが、「イチ、ゴー、ロク、サン…」というように読むのが一般的かと思います。
また、その数字の並びをもとに「キーCのカノン進行」と短く言い換えることも即座にできます。

この8つのコード進行の並びを「シー、ジー、エーマイナー…」というように一つ一つ追っていくのに対し、「キーCのカノン進行」というようにまとめて解釈することができる方が演奏するうえでも作曲するうえでも効率がいいのはなんとなくわかってくれるのではないでしょうか。

この「ローマ数字で読む」捉え方ができると、演奏と作曲のレベルが格段に上がるのです!
次の章から詳しく説明していきます。

ダイアトニックコード

専門用語解説編にてたびたび、「Cメジャースケールが基本となって音楽理論が構築された」という話はしています。
ここでも出てきます。

まずCメジャースケールを用意。

次に、すべての音に対し上に三度の位置に、Cメジャースケールの音を重ねます。
この「三度」が長であるか短であるかは元の音によって変わってきます。

さらに三度重ねましょう。
三度上の三度上は、元の音からみると3+3で6度上…ではありません。
度数というのは元の音と移動先を含めて数えます。
ビルの一階を含めて三つ数えると三階まで上がることができ、またその三階を含めて三つ数えると五階に到達しますね。
よって三度上の三度上は元の音から見て五度上です。

これでダイアトニックコードの完成になります。

やり方としては非常に単純で、ただメジャースケールの一個飛ばしを重ねるだけですね。
ピアノが弾ける人は簡単に抑えられると思いますが、ギターしか弾けない人にはちょっと厳しいかもしれませんので、それぞれコードネームを振りましょう。

ここに、メジャースケールの順番をもとにローマ数字で名前を付けてあげると、ダイアトニックコードになります。

注意してほしいのが、「キーCの」ダイアトニックコードである、という点です。
Cメジャースケールをもとに作っているのでこうなります。
メジャースケールは異名同音を抜きにすると合計12種類存在するので、当然このダイアトニックコードの組み合わせも12種類存在します。

キーとコードネームとローマ数字が書いてあります。

突然ですがこれ、暗記してください。

必須です。
音楽は暗記とパクリ」という記事にも通じますが、九九が覚えられなきゃそもそも算数は何もできないし、単語が覚えられなきゃ英文法を完璧にしても英語は書けません。
音楽をやるうえではそのレベルの基礎事項になります。

これが頭に入ると、コード進行をローマ数字で読むことができるようになります。
キーCの曲で F→G→Em→Am という情報が与えられた際に、「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ」と変換ができるようになります。

全部上から覚えるとなると骨が折れるので、暗記を優先すべき(曲での使用頻度が多い)キーに印をつけてみました。

ではなぜこの変換ができると音楽のレベルが上がるといえるのでしょう?

次の章で解説していきます。

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数字にこそ意味がある

専門用語解説編でさんざんお伝えしているのが「音楽の本質は音と音の高さの差」というテーマです。
高さの差をどう扱うかというテーマで、人間は音楽に向き合ってきました。

先人がメジャースケールという名の音程の集合体に「ドレミファソラシド」という名前を付けたことで、メロディはぐっと扱いやすいものになりました。(過去記事「音楽の基本の”定規”「スケール」を知ろう」を参照してください)

ダイアトニックコードにおいても発想は同じです。
ここで、「ドレミファソラシド」が発明されたのちの音楽の変遷を見ていきましょう。

ルネサンス以前の音楽は「対位法」という技法を用いて作られていました。
簡単に言うと、「複数のメロディラインを重ねて豊かな響きを作る」という技法です。

音楽を楽にするには「音程」を知るべし!」の記事を参照してほしいのですが、音と音が重なると、その高さの差によって異なる情緒を持った響きが生まれます。


当時の人々はメロディと、それに美しく重なるまた別のメロディ(カウンターライン、対旋律といいます)が同時に演奏されることで生まれる音程とその情緒を楽しんでいました。
裏を返せば、メロディとメロディ、線同士の重なりのみを認識していたわけです。
あくまで主眼は横の流れに置かれていたんです。

しかしその豊かな響きというのは一点一点の音の重なりが生んでいるもの、つまり縦のラインが生んでいるものです。
対位法で作られた音楽は「三度の重なり」を重んじていました。
何やら難しそうに聞こえるかもしれませんが、ポップスの歌で「ハモリ」と言われるものがそれです。

聴いたことありますよね。

ルネサンスのあたりから、このきれいに響く縦のラインを抽出して音楽を分析、構築する考え方が生まれました。
これが「和声法」という技法になります。
縦のラインの構造を抽出すると、横のラインの重なりの一つ一つを分析していくよりも発想がシンプルになります。

この考え方を実現ために、ダイアトニックコードというものが作られました。

音程を扱いやすくするためにドレミファソラシドという名前がつけられ、それをもとに作られたメロディの縦のラインが抽出され、さらにⅠからⅦの名前がついた、といったところです。

和声法の考え方はダイアトニックコードそれぞれに「機能」が割り振られていて、その機能をもとにどのような性格のメロディが乗るか、どのような情緒が演出されるかが決まる、といったものです。
つまり、それまでの「メロディが絡み合う」という考え方から、「コード」「メロディ」という二つの要素で音楽が構成されるという、今の時代で当たり前の考え方がここで生まれたのです。

さて、初心者向け専門用語解説編の核「音楽の本質は音と音の高さの差」に戻ります。
ⅠからⅦがそもそも差を本質にしているドレミファソラシドをもとに作られている以上、ⅠからⅦも当然差が本質になります。
コードはそもそもスケールをもとに作られているため、スケールと同じく、どこに基準があるか、どこのキーのものか、という情報を抜きにしては、意味をなさないのです。

具体例を示しましょう。

前者がキーC、後者がキーGの音源です。どちらも曲の最後はCM7というコードで終わっていますが、聞こえ方、醸し出している雰囲気が全く違うことがわかると思います。
前者は落ち着いた終わり方の印象、後者はさわやかさが後を引くような印象、といったところでしょうか。

なぜこのようなことが起きるのかというと、相対的な位置、それを示したダイアトニックコードの番号こそが音楽の聞こえ方に影響を及ぼす本質であるからです。
キーCでのCM7はⅠM7、キーGではⅣM7になります。

逆の例も見てみましょう。

この二つの終わり方は非常に似ているように聞こえると思います。
理由は、もちろん相対的な部分が本質であるからです。
なっているコードはCとDであり、それぞれ異なるのですが、どちらもそれぞれのキーにおいてⅠのコードであるので、似た情緒をもって聞こえるのです。

これが、ギターの弾き語りでカポを使用したり、カラオケの機能をつかってメロディの高さを調節できる理由にもなります。
コードの基準からの位置、相対的な位置を示した数字は変わらずに基準の高さだけが変わることで、その曲はその曲として聞こえ方を保ったまま、高さを変えられるのです。

ここまでを理解することができれば、様々な音楽理論紹介サイトで、コード進行が数字を用いて書かれている理由がわかったと思います。
数字さえ書けば、あとはキーをこちらが決めればその進行を演奏することができるということが理由です。
逆にすべてをコードネームで書いているとほかのキーとの互換性がなくなってしまいます。

私のこれから書く記事でも、コードについては数字で記述していきます。

例を挙げます。

JPOP進行はⅣ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵというコード進行です

という文言を目にしたとき、ダイアトニックコード対応表を用いて、キーを見て、それぞれのローマ数字に対応するコードをその順番に演奏すれば、「そのキーでの」JPOP進行になるわけです。

  • F→G→Em→Am
  • C→D→Bm→Em
  • E♭→F→Dm→Gm

これらすべてそれぞれのキーでのJPOP進行ですが、本質は基準からの差にあるので、キーが違うとJPOP進行として機能しなくなります。それぞれどのキーのJPOP進行か、試しに対応表から割り出してみてください。やり方は至ってシンプルです。
今手元にはⅣ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵという番号と、コードネームが情報として与えられています。表のⅣ、Ⅴ、Ⅲ、Ⅵの列にコードネームが合致するキーを探せばよいのです。

答えは

  • F→G→Em→Am(キーCでのJPOP進行)
  • C→D→Bm→Em(キーGでのJPOP進行)
  • E♭→F→Dm→Gm(キーB♭でのJPOP進行)

です。

JPOP進行はあくまで無数にあるコード進行のうち一例にすぎません。

Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ

というコード進行にはカノン進行という名前がついていたり、

Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ

というコード進行には小室進行という名前がついています。
この数字の並びによって曲の情緒が変わってきます。
ここに、ローマ数字で読むことができると演奏のレベルアップに役立つ理由が隠されています。
このコード進行の扱い方に慣れると、自分が表現したい情緒とコードの並びが紐づくのです。

作曲は暗記とパクリ!?音楽に重要なマインドセットを紹介!」という記事でお伝えしたように、音楽理論は英語の学習のような部分が色濃くあり、単語や熟語の意味を覚えて文法の上でつなげられるようにするように学んでいくものです。


コード進行は熟語や定番の言い回し、構文のようなものです。例えば「JPOP進行」には「キャッチー、耳なじみがいい」という意味が対応し、「カノン進行」には「明るいけどどこか切ない感じもする」という意味が対応します。
この意味はあくまで人それぞれでよいのですが、重要なのはそれを自分で管理できる形にするということです。

「F→G→Em→Amというコード進行が何となく自分には心地いい」

このぐらいの認識で止まったままだと、例えばキーGの曲で「F→G→Em→Am」を入れようとしてうまくいかなかったりします。理由はお分かりですね。
キーが違う、基準が違うので、狙った雰囲気になるはずがないのです。

さらに演奏するときも、たとえばキーDでこのコード進行が出てきたとき、「G→A→F#m→Bm」というコード進行をみて本質的に同じものと認識できません。
「JPOP進行だ!」というつもりで演奏すると演奏のレベルも不思議と上がって聞こえますが、それもできません。

  1. 「F→G→Em→Am」の気持ちよさに気づく
  2. キーCを対応表から割り出す
  3. Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵという情報に変換する
  4. 他のキーでも自分の好きなその響きを使えるようにする

ここまでできると非常に作曲がしやすいです。
さらに演奏のレベルも上がって聞こえます。
2でさらっとキーを割り出すというステップを入れてしまっているのですが、これに関してはかなりコツがいるので別記事にて解説します。
現時点ではとにかく、キーと対応する数字がコード進行を認識するのに重要な要素であるということを押さえておいてください。

まとめ

さて、今回は音楽を楽に楽しくするためのコード進行の読み方として、「ローマ数字で読む」ということを紹介してきました。これができるかできないかで、早い話その後の音楽のレベルに関わってきます。
かなりの量の暗記が強いられ、さらにキー判定の技術や単純なコードに対する反射神経を養う必要もあるなど、正直簡単とは言えません。

しかし、様々な専門用語の理解を経て、なおかつこのコードの扱い方ができるようになると、音楽は本当に楽に楽しくなります。演奏のレベルも上がりますし、練習の時間もぐっと短縮できます。
専門用語解説編はぜひ二周ほどして、理解を深めてください。

ここに関しては具体的なトレーニング法なども今後の記事で書いていこうと思うので、そういったものも参照しつつ、是非頑張ってみてください。

ダイアトニックコード対応表

とりあえず、ダイアトニックコード対応表を印刷して机に貼ってみるといろいろ変わってくると思います。
pdfファイルを添付しておくので是非ご活用ください。

ダイアトニックコード対応表

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