作曲は暗記とパクリ!?音楽に重要なマインドセットを紹介!

はじめに

こんにちは。
意識低い系ミュージシャンの龍ちゃんです。
音楽活動をしている大学生で、「とにかく楽に音楽をする」をモットーに音楽に役立つ情報を発信しています。

今回は「初心者脱却パッケージ」第一弾「作曲は暗記とパクリ」です。少々攻めたタイトルですが、初心者が感じるハードルの高さを取り除き、これから作曲について学ぶマインドセットを整えるための内容になっています。
ぜひ最後までご覧ください。

なぜ私が「作曲は暗記とパクリ」ということを初心者の方に伝えたいのか。
目的は大きく分けて二つあります。

  1. 音楽理論に対する誤解を解く
  2. 作る手が止まらないようにする

早速詳しく説明していきます。

音楽理論に対する誤解を解く

皆さんは音楽理論を数学や理科のようなものだと思ってしまってはいないでしょうか?
実はそれ、大きな間違いです。
確かに、ちょっと音楽理論勉強してみようかな、と思って本を開いてみると、なにやら数字がたくさん書いてあります。

「メジャー3rd」「五度圏」「2→5→1(ツーファイブワン)」

などなど。
数字がたくさん見えた時点でアレルギーが出てしまう、という人も多いのではないのでしょうか。

反対に、音楽理論を解き明かすには理系科目的な発想を持ちさえすればいい、という心持ちでいると、学んでいく上で支障が生まれます。音楽は明確な一つの答えが定まっているものではないので、

「理論的には合っているのにキレイに聞こえない…」「かっこいいメロディ思いついたのに理論的にはグレーだな…」

こういったジレンマにしばしば陥るのです。
音楽は答えが無い問題なので、最終的には自分の耳で好きな方を判断すればよいというシンプルな結論があるはずなのですが、理論というものの存在を中途半端に意識してしまうと「答えが決まっている」と思い込んで、どうすればいいかわからなくなってしまうんです。

理系科目のような向き合い方をすると上にあげたような問題が生じます。ではどういった姿勢で取り組めばよいのでしょうか?

結論、音楽理論を学ぶのは英語の学習に似ているととらえた方が、学習がスムーズに進みます。

音楽理論を学ぶ上で沢山の数字が出てくることは確かなのですが、それらは実は英単語のような機能を持っているものなのです。

具体例を挙げます。

のちに詳しく説明するコンテンツを作りますが、「音程」という概念があります。音楽理論において非常に重要な概念です。端的に言うと、「音と音の距離」をしめすものです。音と音の距離なので、もちろん足したり引いたりも可能なのですが、実際の作曲ではほとんどそういった発想を使うことはありません。
音がどんな距離を取るかによって、演出される情緒が変わってくるのです。音と音の距離、音程に名前を付けることで、そうした情緒がぐっと管理しやすくなるのです。

例えば、基準の音をCとした場合、Eとの距離を長三度、E♭との距離を短三度、といいます。
二つ数字が出てきましたが、これらを足したり引いたりするということはありません。長三度は「明るい響き」短三度は「暗い響き」という意味合いをそれぞれもっています。
他にも、完全四度という距離は「無機質な感じ」がする、など、音と音の距離には一つ一つ名前がついており、それぞれに対応する意味合いがあります。

音源は順に「長三度、短三度、完全四度」の順に並んでいます。
そしてそれぞれに独特の響きがあることがわかると思います。
単語と意味で一対一の対応がある英単語に似ていますね。

音楽理論を学んでいく上で具体的に何をすればいいか、という問いへの答えはこうです。

「スケール」「コード進行」「音程」などなど、音楽の様々な要素の名前とそれぞれが演出する雰囲気(単語)、またそれぞれのつながりかた(文法)を「暗記する」

どれだけ文法を知っても単語が頭に入っていなければ英語が上達することは一向にありません。
音楽理論は数字の登場機会が多いあまり、理科的な法則を理解することに本質が置かれているような印象をうけますが、実際は暗記科目です。

暗記だからといって身構えることはありません。
実際に音を出して文字情報だけでなく耳でも覚えることができるし、実は覚えないといけない事項も少ないです。

また、かけた時間に比例して上達するということはなく、上達の仕方はこちらのグラフのようになります。
専門用語の暗記と理解にかかる時間を乗り越えるとかなり上達した実感が得られるのです。
それっぽい曲をすらすら作れるようになるまで少し時間がかかるかもしれませんが、そのラインを乗り越えると一気にレベルアップの実感がつかめます。

英語と同様実際に使ってみることが一番の上達法なので、少し覚えたら実践というステップを繰り返してゆくのがよいです。
それが可能な構成で今後の記事を書いていこうと思っています。

さて、英語というたとえを用いて、音楽理論は暗記科目であるということを示しました。
実はこのたとえでもう一つ、今回お伝えしたいことを補うことができます。
次の章に行きます。

作る手が止まらないようにする

実は音楽理論は作曲のためにあるものではありません
英語のようなもの、とお伝えしましたが、英語の文法はもとはと言えば英語を書くためだけに作られたものではないですよね。
もちろん英文法を学べば英作文はできるようになりますが、そもそも英語を読んで分析することができなければ書くこと、ましてや意味を理解しながら話すことなどできません

音楽理論も同じで、もとはと言えば音楽を「読む」ために作られたものなのです。
すなわち、「天才の音楽を分析し、凡人がパクれるようにすること」が目的です。

音楽理論という単語と文法の集まりを暗記して、天才の音楽をパクれるようになるのが、音楽理論を学習する意味になります。

つまり、「理論を学んで全く新しいスゴイ曲を作りたい」というのは音楽理論を学習して作曲をする上では実現不可能ということになります。

「全く新しいスゴイ曲」を作れるのは理論なしでも作れる天才だけだから凡人はあきらめろ、ということでもないです。「全く新しいスゴイ曲」はもともと作れません。そもそも音楽とは言語的なものであるため、伝えるための形がある程度決まってしまっているんです。

「おはよう」と伝えるなら「おはよう」と言いますよね?
日常会話なども、とっぴなアレンジを言葉に加えるなんてことはよほどのことが無い限りしないはずです。言葉は人に伝えるために発するのが主ですから、一定の文脈を踏まえた上で初めて多少のオリジナリティが許されます。

「スゴイ曲」はあくまで届きやすいスタンダードな文脈を踏まえたうえで、その表層に気の利いたアレンジが加えられているためにほかの曲より華やかに聞こえたりする、という場合がほとんどです。
元はといえば先人のスタンダードを引き継いでいます。

それでも全く新しく聞こえる曲があったりするのは、根本的な発想がぶっ飛んでいるというよりは、たくさんのパクリ元があるから、というのが主な理由になります。コラージュをイメージすればわかりやすいです。コラージュとは様々な絵や写真を細かくちぎって再構成し、新たな画面を作るという表現技法ですが、素材をちぎるのが細かければ細かいほどそれぞれのもともとの映像は要素として小さくなり、全体としてはオリジナリティがより出てくるようになります。

「数学の法則のようなものを知って全く新しいものをゼロから作る」という発想は挫折のもとです。

「一生懸命作ったけど何かのパクリにしか聞こえない…」というタイミングが来ても安心してください。どんな天才でも人の曲をパクっています。

最初から何かをパクるつもりで作った場合はさておき、オリジナリティは必ず細かいところに現れるものです。完全オリジナルを作ることは本質的な目標にはなりません。
言葉と同じで、まずはスタンダードな文脈が大事なのです。

まとめ

作曲を覚えて楽に音楽をする上で大事なマインドセット「作曲は暗記とパクリ」をお伝えしました。今回の内容を踏まえることで、今後の学習がスムーズに行くと思います。
作曲をちょっとやってみると本当に音楽が楽に楽しくできるようになるので、ぜひ頑張っていきましょう。

基本的なスタンスが出来上がったところで、「初心者脱却パッケージ」、いよいよ「音楽はどのように出来ているか?」という段階に踏み込んでいきます。

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