「トライアド」を弾けるようになろう!レベルアップのための第一関門!

こんにちは。意識低い系ミュージシャンの龍ちゃんです。
とにかく楽に音楽をする」をモットーに、音楽に関する情報を発信しています。

今回のテーマは「トライアドを意識して演奏できるようになろう」です。
トライアドとはコードを構成する最低限の三和音のことを言います。
これをコードネームをもとに演奏できるかできないかが、早い話、音楽を楽に楽しくできるかできないかにかかわってきます。

トライアドが実際どのようなものかということに関してはこちらの記事をご覧ください。
また、わからない専門用語があれば、他の専門用語解説記事も合わせて読むことをお勧めします。

目次

トライアドを演奏してみよう(ギターとキーボード)

トライアドでの演奏は、ギターとキーボードでかなりアプローチが変わってきます。
それぞれに対しての練習法を紹介します。

ギターでトライアド

ギターでトライアドを弾くことに関しては、かなり発想がシンプルです。
ルートの記事において、フレットの位置と音名を対応させる練習を紹介しましたが、そこで習得した技術にほんの少し要素を足すだけです。

突然ですが、ギターにはローコードと呼ばれるポジションが存在します。
その中でも今回大事になるのがE(Em)とA(Am)になります。
まずこの形を頭に入れてください。
抑えている弦が三本しかないのに五、六本弾いてもコードとして成立するのはなぜかというと、開放弦がコードの音に含まれているからです。
Eは六弦開放のEがルート、Aは五弦開放のAがルートです。

ギターという楽器の特徴として縦に積み重なるコードの形をそのまま横にずらせるという点があります。
E(Em)及びA(Am)のコードは、人差し指でとあるフレットの全ての弦を抑えながら(=セーハ)残りの中指、薬指、小指を使って抑えることが可能な形をしています。
つまり、本来開放弦である部分を人差し指で抑えて補うことで、ローコードの形をそのまま横にずらすということが可能になっているのです。

ここで音名とフレットを対応させる練習が生きてきます。
Eの形をしている場合は六弦がルート、Aの形をしている場合は五弦がルートとなるため、そこから下の弦をすべてセーハすれば、残り三本の指でコードを作ることが可能になるわけです。

まずはメジャーのEの形とAの形を自在に横にずらせるように練習してみましょう。
ただずらすだけではなく、ルートの音名を意識して弾くことが重要です。
スムーズにメジャーコードが弾けるようになったら、次のステップに進みます。

メジャーが弾けるようになったらマイナーを弾く練習に移ります。
メジャーとマイナーの違いは「三度」にあるので、メジャーの中から、ルートに対して長三度のところを探してフレット一つ分下げてやればマイナーとして弾けるというのがポイントです。
Eの形では3弦、Aの形では2弦が長三度に当たるので、ここをフレット一つ下げれば、あとは完全五度しか鳴っていないので、全体としてはマイナーになります。

マイナーもルートの音名を意識して弾けるように練習します。
余裕が出てきたらメジャーマイナーを意図的に切り替えて弾いてみましょう。
こちらも「Dm」「E」「Gm」…といったように、トライアドまでのコードネームを思い浮かべながら弾けるようにします。

キーボードでトライアド

キーボードでトライアドを把握するのにはかなり根気が要ります。
ギターとは違って白鍵と黒鍵の位置の違いがあるため、決まった手の形が存在しないからです。
どちらが覚えやすいかといえば明らかにギターに軍配が上がります。
しかしギターよりもキーボードの方が優れている点として、音程を把握しやすいということがあります。
ギターが縦に音が並んでいるのに対して横並びなので、距離が直観的に理解しやすいのです。

そこで、トライアドの構造を音程で意識することでコードを覚えやすくする方法を紹介します。

トライアドはルートに加え「三度、五度」が鳴っている和音です。
トライアドの中でも最も使用頻度が高い、つまりパッと弾ける必要のあるものはメジャーおよびマイナーですが、両者の共通点である「五度が完全五度である」ということがここで重要になってきます。

両方で共通である完全五度をまずあらゆる場所で弾けるように手に覚えさせ、あとからメジャーとマイナーを決定づける三度を埋める
という発想を用います。

完全五度がパッと分かると、使用頻度の高いメジャーおよびマイナーに対応する土台が出来上がるのです。
さらに完全五度の音程というのは理論的にも非常に重要になってくるので、ここで手に覚えさせてしまいましょう。

この図形は「五度圏」と呼ばれるもので、なにやら難しそうに見えますが、「隣り合っている二つが完全五度の関係になっている」という至ってシンプルなルールで書かれているものです。
一部の完全五度のくくりに雑ながら色をつけてみました。

コツとして、音名すべてに対して一個一個最初から「CにはG、C#にはG#…」と覚えていくよりも、「CにはG、GにはD、DにはA…」と、「完全五度の完全五度の完全五度の…」というように覚えていくとよいでしょう。
相対的な見方を用いることでこういった暗記もはかどります。

例として三つ完全五度を図示してみました。
同じ色のところが完全五度の関係になっています。
たまに黒鍵と白鍵が入り混じったりややこしいです。
試しに五度圏と鍵盤を見比べて音名が対応しているのを確かめてみてください。

ポイントとしては、「ルートの情報だけで」完全五度を押さえられるように頭を働かせることです。

「C」という文字を見たときに一々Cの完全五度を表で探してCとGの音を押さえるのではなく、反射的にそこからつながる完全五度を押さえられるようになるまでトレーニングしてみましょう。(この五度を把握するトレーニングは非常に重要なので別途しっかりした記事を書こうと思います)

この段階でまず、実際に自分が知っている曲のコード譜を用いてルートのオクターブ+完全五度を伴奏にして弾いてみると楽しいと思います。コード譜を見て、トライアドがメジャーおよびマイナー(sus4)の時は完全五度を押さえ、ディミニッシュやオーギュメントの時は五度を押さえずオクターブで弾くと、ルートだけの実践よりもコードらしい伴奏ができます。

完全五度が把握できるようになったら、ルートと完全五度の間に三度を挟みます。

これに関しても覚えるしかありませんが、完璧に覚えてから曲へ、というよりも、早めに曲での実践に行ってしまってよいでしょう。メジャーとマイナーで完全五度の音程が共通しているということはつまり、三度によって響きの感じが決まるということです。
三度が入ってくると、曲の中で弾いたときに、そのコードがあっているかあっていないかという感覚が明確にわかります。
その自分が知っている曲にハマる感じを一つの助けにしてマイナー、メジャーを覚えてしまうのが楽になるでしょう。

オーギュメントやディミニッシュに関しては正直かなり覚えゲーになってしまいます。
そもそも登場頻度がめちゃくちゃ高いわけではないので、曲に登場するときにその都度覚えるのがよいでしょう。
ちなみに手になじませるならば、理論的な優先順位的にも弾きやすさ的にもディミニッシュの方が上です。

キーボード奏者はクラシック経験者がほとんどで、そういった感覚があまりないかもしれませんが、横の広がりと音程の情緒を対応させる癖をつけておくと様々な音楽に対応可能です。

sus4もメジャーとマイナーに同じく「五度が完全五度のグループ」なので、五度を把握してから完全四度を埋めるという発想で対応可能です。では、五度が完全五度でないトライアドであるdimとaugに関してはどのように対応すればよいのでしょう。

dim(ディミニッシュ)とaug(オーギュメント)は?

トライアドにはメジャーとマイナー以外にディミニッシュ(dim)とオーギュメント(aug)の二種類がありますが、「楽に楽しく音楽をする」が目標ならばとりあえず置いておいても大丈夫です。
一応ギターでは五弦ルートと六弦ルートそれぞれの、横にずらせる形のフォームも存在します。
キーボードにおいてはまたまた白鍵と黒鍵が絡み合って位置が全て変わるので新しく暗記になってしまいます。

こういった暗記ははっきり言って楽しくないです。
楽しくなかったら意味がないので、最低限としてマイナーとメジャーを把握出来たら、演奏を優先した方が学習が続きます。
事実その二つだけ演奏できれば相当楽しいはずなので、「なんとしてでもdimもaugも把握してからやりたいんだ!」という方以外は先に進むことをお勧めします。

なぜdimとaugが難しいかというと、「文脈の中で使う」という特性がメジャーやマイナーに比べ非常に強いからです。
理論的なことをもう少し深く理解したら、この段階でルートに逃げて演奏するなどしたdimやaugのふるまいを分析して、自分なりに使ってみて覚えていく、という手順がよいでしょう。
いつでも完璧主義は学習の邪魔をします。
私もこれらのわかりづらいコードに腹が立ってコードの勉強がはかどらないということが度々ありましたが、まずはメジャーとマイナーをきちんと見てあげればよいのだという認識を持ててからは非常に楽に学習ができるようになりました。

dimとaugに関して使い方や文脈の中での意味をまとめた記事を今後書いていきますので、そちらを参考にしてください。

曲で演奏してみよう

さて、キーボードかギターかは置いておき、トライアドをなんとなく把握できたら、どんどん曲で実践していきましょう。
当たり前ですが、ポイントとしては「トライアドだけをみる」ことです。
つまりその上の構造であるセブンスやテンションには惑わされずに、トライアドがどうなっているかということだけをしつこく意識して弾いていきます。

例えば「CM7add9」というコードネームを見てもビビらずにCだけ弾く、といった具合で、弾ける範囲のみを弾くことで響きを耳と指で覚えていきます。

dimとaugに関しては先述したとおりこの時点ではルートのみを抑える方向に逃げてよいです。
頻度的にトライアドとして登場する回数は少ないので、U-FRETに抑え方が載っているのをそのまま弾くか、ルートに逃げるかで、とにかくメジャーとマイナーのトライアドを指と耳で覚えられるように手を動かしましょう。

出典:U-FRETより画像引用 https://www.ufret.jp/song.php?data=2431

aikoの「花火」のサビの一節ですが、華やかでジャジーな印象のある曲でも、トライアドが主になって構成されていることがまず見て取れると思います。
B♭maj7やAm7は、先ほど述べたルールにのっとりトライアドのみを弾きます。
セブンスの記事を読んでいただければメカニズムはわかりますが、セブンスの表記とトライアドの対応に関しては

  • maj7(M7)→メジャー
  • m7→マイナー
  • 7→メジャー
  • dim7→dim

これを機械的に当てはめればOKです。

つまり、このサビのコード進行は

B♭→Am→Dm→C→B♭→A→Dm→Cm→F

とトライアドに変換して演奏可能です。
これと同じようにして実際の曲でどんどん演奏していきましょう。
この段階でも、「なぜAmとAが混在しているのだろう、なぜCとCmが混在しているのだろう」という気付きが得られます。
それらがなぜかわかるのはまだ先ですが、トライアドの段階で得られるそういった気付きが重要です。

まとめ

ギター、キーボード、それぞれに対して、音楽を楽に楽しくする最重要ポイントであるトライアドを習得する練習手順を紹介してきました。
どちらも共通して大事なのは、「メジャーとマイナー」という基本をきっちり抑えるということです。
どんな長いコードネームにも惑わされず、まずはトライアドを抑えるという点が後になって非常に効いてきます。

この記事の内容こなすことができたら、コードネーム解説編の「セブンス」を読むことをオススメします。

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