最近、古くから愛されるミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」を観ました!
ミュージカル好きな私が、一番好きなミュージカル。
若くて、エネルギーに溢れていて、一生懸命な登場人物たちに心振るわされる作品です。
観終わった後は誰もが涙溢れます。
人種差別や争いが世界からなくなって、どんなに違う人たちでも認め合える世界が訪れてほしいと強く思わされる作品です。
そしてこの作品、ストーリーだけでなく歌と踊りも最高なのです!
今日はそんな「ウエスサイド・ストーリー」の魅力について語ろうと思います。
ウエストサイド・ストーリーとは?
1951年にブロードウェイで初演を迎え、1961年に映画化、アカデミー賞では作品賞の他10部門を受賞。
シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台を、現代のニューヨークに置き換えたミュージカル作品。
当時、争いごとが絶えなかったポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系移民人に焦点を当て、不良グループによる争いや、それによって狂わされる若い男女の恋愛が描かれている。
私が思う、ウエストサイド・ストーリーの魅力3選!
- 独創的で耳に残る音楽
- まるで台詞を語るかのような躍動的なダンス!
- 誰もが号泣。若い男女の愛と葛藤、悲劇のストーリー
1.独創的で耳に残る音楽
ウエストサイド・ストーリーを語るのに欠かせないのが、音楽だと思います。
物語ではポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系移民人が争いを起こしますが、それに合わせてジャズ音楽とラテン音楽が対立されています。
例えば、2組がダンスパーティーで威嚇しあうシーン「Ⅾance at the Gym」は、ミドルテンポのブルースで始まり、急調子のマンボに変わります。プエルトリコ系音楽を意識したマンボのラテン音楽は、誰もが踊りだしたくなるような独特なリズムです。
対してポーランド系音楽を想像させるのが、ジャジーで小気味良い「Cool」。
ポーランド系不良グループジェット団が一致団結するために歌って踊るナンバーです。
このようにラテンやジャズ、そしてクラシックの現代的なハーモニーも融合させることで、高次元で独特な音楽が実現されています。
甘美なバラード「Tonight 」は、誰もが一度は聞いたことがあるはず!
そして、彩り豊かな音楽群に圧倒的な作詞を載せたのが、当時はまだ無名だった有名作詞家、スティーブン・ソンドハイム。彼のつける作詞は、作品の中に優しく溶け込み、より一層登場人物の心を観客に訴えます。
特に、私が大好きな曲は、「Somewhere」
この曲の歌詞には毎回感動させられます。
There’s a time for us,
Some day a time for us,
Time together with time to spare
Time to learn, time to care.
Someday, somewhere,
We’ll find a new way of living,
We’ll find a way of forgiving.
Somewhere…
その時がきっと来るわ
いつか、私たちが一緒にいれる時が来る
共に時間を分かち合える時が
共に学んで、労わり合える時が
いつか、どこか
私たちは新しい生き方を見つけられる
許し合える方法を見つけられる
どこかで…
これは私なりの和訳ですが、登場人物全員がこう願っていたのだろなと思います。
日本人の私たちにも分かりやすく、心に響く歌詞ですよね。
2.まるで台詞を語るかのような躍動的なダンス!
ウエストサイドストーリーでは冒頭の不良チームが街角で争うシーンから、演者のダンスがキラリと光ります。
普通に歩いているところから徐々に仲間が増えていきリズムに乗り出す。
そしてそれが踊りになっていく。
ミュージカル好きにはたまらない入りです。
感情に合わせて動いたものがリズムになり、ダンスになっていくというのは、観ていてとても気持ち良いですよね。
私も小さいころからダンスを習っているのですが、ウエストサイド・ストーリーの踊りは、バレエの基礎がきちんとないと踊れないうえに、感情的でパワーのある振り付けが多いためとても難しいです。
アメリカンで感情的なパワフルダンスは日本人には難しいのでは?と思われがちですが、劇団四季で観てもステージアラウンドで観てもそのダンスは圧巻でした!
ダンスを見るためだけに行っても満足できるくらい、ラテンからジャズ、バレエなど様々なダンスが作品の中に組みこまれています。
3.誰もが号泣。若い男女の愛と葛藤、悲劇のストーリー
1950年代のウエストサイド。世界中誰もが夢と希望を求めてアメリカに移民してきた時代です。ポーランド系アメリカ人が、後から来たプエルトリコ系移民人を気に嫌うのも、人種差別に苦しむ移民人が白人を恨むのもあり得ることだと思います。
そんな中、対立しあう集団同士であるのにも関わらず恋に落ちてしまったトニーとマリア。
彼らは純粋に愛し合いますが、人々の憎しみや怒りの重なりにより、引き裂かれていきます。
誰が悪いとかはわからない。それぞれが若くて一生懸命だからこそから回っていく。
そんな胸の痛みと、それぞれの想いに涙が止まらない…。
そんなストーリーです。
劇団四季、ステージアラウンドのウエストサイド・ストーリー
多くの人が初めに観るのは、映画版ウエストサイド・ストーリーだと思いますが、 舞台でしか感じられない迫力や感動を味わうのもお勧めです
劇団四季版を観て
私が観たのは、2016年の公演です。ジェット団のリーダーリフを演じられていたのがリトルマーメイドのエリック王子なども演じられている、上川一哉さん。
圧倒的な存在感で表情もキラキラ。対するシャーク団のリーダーベルナルドは、萩原隆匡さん。
ライオンキングのスカーやアラジンのジーニーも演じられていますね。とにかく、お二人とお二人率いる男性陣のダンスが力強く、パワフルでした。そして、ヒロインマリアは山本紗衣さん。
マリアにピッタリな雰囲気や容姿、華麗な歌声でした。
オペラ座の怪人でクリスティーヌも演じられている山本さんはヒロインが本当にピッタリだなと思います。
トニーは神永東吾さん。
甘美な歌声と容姿、内に秘めてあるような感情を感じられました。最近では、アナと雪の女王のクリストフも演じられている看板俳優さんです。
そして、私が一番好きな登場人物であるアニタを演じられていたのが岡田美南さん。
とにかく、アニタの魅力が駄々洩れでした。歌にも踊りにも魅力的な色気があって、どこにいても華やか。
女性としても永遠の憧れです。ノートルダムの鐘で演じられているエスメラルダもとても魅力的なのでおすすめです。
わたしが観た回の出演者さんは、他の作品でもそれぞれ主役を務めているような豪華俳優陣ばかり。
それぞれの存在感とパワーが溢れていて、迫力だけでも涙が出そうになる舞台でした。
結末がわかっていても涙が止まらないようなウエストサイド・ストーリーでした。
ステージアラウンド版 ウエストサイド・ストーリーを観て
ステージアラウンド版は、初回のシーズン1(2020)を観ました。
リフは、「ミス・サイゴン」でクリスも演じられている小野田龍之介さん。
ベルナルドは中河内雅貴さん。
「ビリー・エリオット」ではトニー役も演じられています。
そしてヒロインマリアは、北乃きいさん。
トミーは宮野真守さん、アニータは劇団四季出身の樋口麻美さんでした。
そして、劇団四季に負けないダンスの迫力、アクションのクオリティでした。
どの役者さんもパワフルで素晴らしかったけれど、私的にすごく見入ってしまったのが、エニバディズの伊藤かの子さんです!
私が一番好きな曲「somewhere」で突然エニバディズが歌って踊りだし、それに周りが動き出していくシーンは、他の舞台や映画では観たことがなく、その空気感に感動しました。エニバディズの事を深く考えたことはなかったけれど、彼女も居場所を求めて一生懸命生きていたのだよなと思わされました。
そこにいるすべての人物が平和な居場所を求めていたのですよね。
もう一つ印象的だったのが、シャーク団が踊る人気ナンバー「アメリカ」です。
今まで観てきたものはほぼ男女で盛り上がるナンバーだったのですが、ステージアラウンド版では、女性のみのナンバーになっていて、また空気感の違う出来上がりになっていました。
最新ウエストサイド・ストーリー情報
まとめ
長年愛されている、ウエストサイド・ストーリー。
とにかく歌もダンスのストーリーも全部素晴らしいのです。
これは、どんなバージョンも観るしかない…。
観終わった後にはきっと、トキメキや衝撃、悲しみも宝物に感じるはず。
三日経つ頃にはこの作品の音楽が頭から離れなくなり、「マンボ!」と踊りだしたくなる!(私だけかな?笑)