先日、ミュージカル映画『ディア・エヴァン・ハンセン』を観ました♪
トニー賞6部門、グラミー賞、エミー賞を受賞した人気ブロードウェイミュージカルの映画版。
音楽は「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」の音楽チームです。
評判を聞いていてずっと楽しみにしていたのですが、観てみて名曲の数々に感動…！
今回はその音楽の魅力について曲と一緒に書いていきたいと思います！
ミュージカルにとってとても大切なのが作中の歌。
そこの大切さを改めて感じられた瞬間でした♪
『ディア・エヴァン・ハンセン』の音楽
映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』の音楽を担当しているのは、ベンジ・パセックとジャスティン・ポール。学生時代から一緒に働いている彼らは、アメリカの大学ミシガン大学出身で、これまでに『Dogfight』や『Edges』などのミュージカル劇や、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』や『アラジン』、『グレイテスト・ショーマン』、ミュージカルドラマ『スマッシュ』などを手掛け数々の賞を受賞しています。
そんな名コンビが担当した今回の作品『ディア・エヴァン・ハンセン』は思わず泣いてしまいたくなるような名曲ぞろい。ミュージカルらしい華やかショーのような曲ではなく、しっとりと繊細に役の心情を綴った曲が多め。この作品の音楽好き！というミュージカルファンは多いと思います！
曲中の名曲♪
素敵な曲が沢山あるので細かく書いていきたいと思います！
「Waving Through A Window」
不安症を抱えた主人公エヴァンが学校へ行く冒頭のシーン。
この曲でエヴァンの不安や恐れ、孤独を知ります。
落ち着かない貧乏ゆすり、薬を飲んで浮かない顔をしながら家を出る、学校に着くと沢山の生徒に飲み込まれるようで一人心の中で叫んでいるのに誰にも見向きもされません。
内気な人なら共感できるはず、学校の独特な不安感がよく表されていました。
テンポよくミュージカルらしいリズム。でも彼の焦りと不安がそれに乗って緊迫感が生まれています。一度落ち着いてからの最後にかけて盛り上がりところは痺れる！沢山の音が入ってお洒落ながら、心のごちゃごちゃが、叫びがよく表現されています。
苦しさもありながらも何度も聞きたくなってしまう曲です！
「For Forever」
エヴァンが自殺してしまったコナーの家族のために、コナーとは友達だったとウソをついてしまうシーン。エヴァンの作り話は、その前にエヴァンが一人で体験した出来事で、それをコナーと一緒に体験したことにしています。その話は、エヴァンが、本当はこんな友達が欲しかったんだという気持ちが表れていて、とにかく切ない。そしてそれを聞いて救われている家族もとても切ない。そんな、ほろりと泣きたくなってしまうような曲です。
希望と冒険心に溢れていくようなワクワクする曲調。それが逆に切なくて仕方なくなります。子供が親に夢を語るようなシーンだったらピッタリなのに、ウソで願望だから、盛り上がっていくにつれ観ている私たちの表情は切なくなっていくのです。
「Sincerely Me」
この映画の中で一番面白くて笑える曲。エヴァンがコナーの家族にウソをつくためにコナーとのメールのやり取りをジャレットと一緒につくっていくのですが、その妄想をコナー役の俳優さん(コルトン・ライアンさん)が学校の中で歌って踊ります。
怒りっぽくいじめられている印象しかなかったコナーが、コミカルにポップにふざけた内容をミュージカルするのが面白い(笑)
そんなに友達同士で愛を語りあうか？というような大げさな内容です(笑)
唯一ミュージカルらしい振り付けの入っている曲。軽快なリズムでわざとらしくミュージカルショーのような振り付けがつけられています。
「Requiem」
ヒロインのゾーイと、ゾーイの母と義理の父によるコナーへ向けた歌。それぞれがコナーの死をどう受け止めているかが分かる切ない歌です。重く、しんみりとしている美しい曲でとても印象的でした。
ミュージカルでよくある、それぞれが違う場所で一人で歌っていてそれが1つの曲となっている曲。美しいアコギとそれぞれの美声が心にしんみり響きます。
「If I Could Tell Her」
「For Forever』も思い起こされるような切ない曲。エヴァンがゾーイに、兄コナーの事を聞かれてコナーがゾーイをどう思っていたのかを伝える曲です。もちろんウソの話なので、本当はエヴァンがゾーイに向けて抱いている恋心や想いを伝えている切ない曲となっています。エヴァンの架空の話はなんでこんなに切ないのか…。
エヴァンのまっすぐな想いがよく伝わる綺麗なバラード。繊細で話しているように、言葉がこぼれていくように歌われています。
後ろのギターの音がとても心地よく柔らかい。
そしてベン・プラットのファルセットがとても綺麗でした。
「You Will Be Found」
私が個人的に一番泣いた曲。エヴァンが学校で勇気をだしてスピーチをするシーンの曲です。このスピーチがSNSで話題になってエヴァンの言葉が世に届きます。ここでもウソの話をしながら、エヴァンは孤独だった自分の本当の想いを告白します。「あなたは一人じゃない」というメッセージはよく聞くものですが、実際に苦しんでいたエヴァンからしぼりでた言葉だからこそジーンと響きます。
とにかく歌詞がとても響く曲。最初は冷やかしていた周囲を黙らせ、茶化して撮っていた動画を止め、そしてもう一度撮らせる力があります。
最初はピアノで聞かせ、皆が共鳴して曲は盛り上がっていきます。
ここで、どんな人だって孤独を抱えていると気付かされる。この作品の象徴となっている曲だと思います。
「So Big / So Small」
この曲も号泣もの。ディズニー映画『魔法にかけられて』のヒロイン・ジゼルも演じられているエイミー・アダムスさんがエヴァンの母役としてエヴァンに歌う曲です。お姫様の時とは全く違う、どんなことを息子がしても、生きていてくれていればそれで良いという母の深い愛に泣かされる曲です。
エヴァンがずっと求めていたもの。一人じゃなく傍にいてくれる人がいたと気付かされるシーン。ギター１本でシンプルに優しく母の愛が響く。
しんみりと涙溢れました。
まとめ
1つ1つの深く共鳴する、素敵な音楽が沢山込められている作品でした。観終わってからも度々サントラを聞いて浸っています。
ミュージカルの曲って、そのシーンを思い出しながら聞けるのが良い。
圧倒的に音楽が最高だったディア・エヴァン・ハンセン。是非観てみて下さい♪
