― たった5つの音で自由に弾けるギターソロの世界
こんにちは、伊藤優人です。
ギターを始めたばかりのころ、ライブ映像で見たギタリストが、
コード進行の上で自由に弾きながらも“ちゃんと音楽になっている”のを見て驚いたことはありませんか?
「どうして即興で弾いても、こんなに自然に聴こえるんだろう?」
実は、その秘密は“特別な才能”ではなく、正しいスケールの選び方にあります。
中でも、初心者が最初に身につけるべきがペンタトニックスケール(5音階)。
このスケールを理解すれば、理論に苦手意識がある人でも、
一気に「アドリブってこういうことか!」と実感できます。
■ アドリブが難しく感じる理由は“音の選び方”
ギターを始めて少し経つと、こんな壁にぶつかる人が多いはずです。
- スケールを覚えても、フレーズが単調で退屈になる
- 何を弾けばいいか分からず、いつも同じポジションばかり触ってしまう
- コード進行が変わると、途端に“外してしまう”
- 自分の演奏が、他の人よりなんとなく濁って聴こえる
これらの悩みはすべて、「スケールの理解と音の整理」ができていないことから起こります。
まずは「どの音を使えば自然に聴こえるか」を知るだけで、演奏の印象はガラッと変わります。
■ スケール=音の並び。その中に“ルール”がある
スケールとは、音を一定の間隔で並べた“音の地図”のようなものです。
最も基本的なのがメジャースケールで、
明るく、安定感のある響きを持っています。
たとえばCメジャースケールは以下の7音です。
C(ド)・D(レ)・E(ミ)・F(ファ)・G(ソ)・A(ラ)・B(シ)
この並びには規則があります。
音と音の間隔が「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」という並びでできており、
この“順番”が崩れると、スケールの性格そのものが変わります。
▶ メジャースケールからペンタトニックへ
メジャースケールをそのまま使うと、
特定の音がコードと“ぶつかる”ことがあります。
たとえば、Cメジャースケールの中では「F」と「B」が濁りやすい組み合わせです。
そこで、この2つを省いたのがペンタトニック(Penta=5)スケール。
つまり、Cメジャーペンタトニックは次の5音です。
C(ド)・D(レ)・E(ミ)・G(ソ)・A(ラ)
これだけで、どんな進行でも濁りにくく、自然に聴こえます。
初心者がアドリブを始めるときに“最強の味方”となるスケールです。
■ 「ペンタトニック」を使えば外れない理由
ペンタトニックは、ギター演奏で最も“安全な音の集まり”です。
このスケールを使えば、基本的にどのコードの上でも外れない。
なぜなら、ペンタトニックの構成音は、
どのコードにも共通して含まれる“安定音”でできているからです。
言い換えれば、「どのタイミングで弾いても気持ちよく響く音」だけを集めたスケール。
そのため、速弾きでもゆったりしたソロでも、音楽として成立します。
「弾きながら探す」感覚を得やすく、アドリブの基礎として最適です。
■ 名曲「Stand by Me」で実践してみよう
この理論がどれだけ実用的か、具体的に見てみましょう。
名曲「Stand by Me」は、実はC – Am – F – Gの4つのコードだけでできています。
これはすべてCメジャースケール上で成り立つ進行。
つまり、この進行に対してCメジャーペンタトニックを弾けば、
どの音を弾いても自然に調和します。
例:
- Cのとき → C, E, G(安心する音)
- Amのとき → A, C, E(優しい響き)
- FやGに変わっても濁らず滑らかに繋がる
ペンタトニックは、曲の流れを壊さず、
“どこを弾いてもハマる”という安心感をくれます。
■ ギターで覚える「Cメジャーペンタ」の形
ペンタトニックは耳で覚えるより、形で覚えるのが近道。
特にCメジャーペンタは、Aマイナーペンタと同じ形で使えるため、
すでにAmペンタを知っている人はそのまま応用可能です。
🎸 まずはこのポジションから
- ルート音:6弦8フレット(C)
- スケール:C – D – E – G – A
- 指板上では、Aマイナーペンタの“第1ポジション”(6弦5F基準)を使い、
着地をCに合わせればメジャーらしい明るい響きに。
ギターでは形を1つ覚えるだけで、キーを変えるのも簡単。
たとえば、同じ形を2フレット上にずらせばDメジャーペンタになります。
形を体で覚える=移調も自然にできる、というのがギターの強みです。
■ 練習ステップ:3段階でアドリブ体質に変わる
① 形を覚える
鏡を見ながら指のフォームを確認し、
指板の位置感覚を手に覚えさせましょう。
最初はテンポを落として、1音ずつ正確に響かせることが大切です。
② コード進行に合わせて“呼吸”する
C–Am–F–Gの進行をループ再生し、
ペンタトニックの音を上下に弾くだけでもOK。
音を“流す”のではなく、“止めて聴く”ことで、自分の好きな響きを見つけられます。
③ 知っているメロディを弾いてみる
スケール内で「Happy Birthday」や「Stand by Me」の一節を弾いてみましょう。
自分の耳が覚えているメロディを“スケールで再現する”ことが、
アドリブへの第一歩になります。
■ 5音の中で“音楽”を作るコツ
アドリブが上達する人は、5音を“どう使うか”を知っています。
- Cに戻る:安定して聴こえる
- 飛ばして弾く:階段状ではなく、間を飛ばすと立体感が出る
- 休符を入れる:弾かない“間”がリズムを生む
- フレーズを歌うように:弾く前に口ずさめるとメロディになる
ギターソロは速さではなく、音の置き方と呼吸です。
たった5音でも、“気持ちいい音”を探す耳さえ育てれば、
そこから立派な音楽が生まれます。
■ まとめ:ペンタトニックは「自由に弾くための地図」
ペンタトニックスケールは、
「弾けるようになるための理論」ではなく、
「自由に音を選ぶための感覚」を育てるツールです。
5つの音を覚えた瞬間から、
ギターが“ただの練習器具”ではなく、“自分の声を出す楽器”になります。
最初はCメジャーペンタだけで十分。
そこからキーを変え、リズムを変え、
少しずつ“自分の音楽”を紡いでいきましょう。

