こんにちは、伊藤優人です。
ギタリストの副島俊介さんが公開した「上達しない人がやりがちなピッキングフォーム」動画。
この中で語られていた内容が、まさに“多くの人の壁”を突いていました。
「年数は重ねているのに伸び悩みが続く」
「速くなるとピッキングミスが増える」
「何を弾いてもプロと比べて“何かが違う”」
「練習法を渡り歩くが継続できない」
「結局、才能なのでは?」と半ば諦め気味──
もし少しでも当てはまると感じたなら、あなたのギター上達を妨げているのは右手のフォームとピッキング角度かもしれません。
今日はその原因と改善のヒントを、分かりやすく解説していきます。
■ まずは“あるある”な悩みの棚卸し
多くのギタリストが、無意識のうちに間違ったピッキングフォームを身につけています。
フォームや角度のわずかなズレが積み重なると、音は抜けず、テンポが上がるほどミスが増えてしまう。
上達しない人に共通しているのは、次のような特徴です。
- 弾いた後、ピックが宙に浮いている
- ピックを強く握りすぎて、音が硬い
- ピッキング角度が固定されている
この3つを見直すだけで、音の粒立ちや精度が一気に変わります。
中でも特に重要なのが、“ピッキング角度”の意識です。
■ ピッキングの角度を意識すれば、音が変わる
ピックを弦にどう当てるか。
その角度の違いで、音の立ち上がり・太さ・アタック感が劇的に変化します。
ピッキング角度には、主に3つの基本形があります。
🎸 順アングル(角度をつける)
ピックを少し斜めに構え、弦に角度をつけて当てるフォーム。
ピックが弦を擦るように当たるため倍音が増え、太くて歌うようなトーンになります。
ロックやブルースなど、表情豊かなフレーズを弾くときに効果的です。
🎸 平行アングル(角度をつけない)
ピックを弦と平行に当てるスタイル。
擦れ音が少なく、タイトでクリアなサウンドが得られます。
ストロークやカッティングなど、リズムを正確に刻むプレイに向いており、3つの中でも基準となる角度です。
平行を基準に、順や逆へ切り替える意識を持ちましょう。
🎸 逆アングル(順アングルの逆方向)
ピックを逆方向に傾けて当てるフォーム。
弦を「削る」ようなアタックが生まれ、シャープで抜けの良い音を出せます。
ファンクやジャズなど、リズムのキレを重視するスタイルにぴったり。
ほんの少し角度を変えるだけで、同じフレーズでも印象がまったく変わります。
■ピッキングの角度を使い分けると、演奏が“立体的”になる
上達を止めてしまう最大の原因は、「角度を一つに固定してしまうこと」。
順アングルだけだと太いけれど抜けが悪く、平行ばかりでは平面的になってしまいます。
大切なのは、角度を曲やフレーズに合わせて使い分けることです。
たとえば…
- メロディックなイントロでは順アングルで太く
- カッティングでは平行アングルでタイトに
- エンディングでは逆アングルで鋭く締める
角度を切り替えるだけで、音楽が動き出すような“立体感”が生まれます。
■ 練習効果を最大化する2つの注意点
角度を理解しても、フォームが崩れていては本来の効果を得られません。
ここからは、練習の成果を最大化するための2つのポイントを紹介します。
① 体に無理のないフォームで弾く
右手だけの問題に見えて、座り姿勢や環境要因も大きく影響します。
チェックしたいポイント:
- ギターが前に出すぎていないか(肘掛けが邪魔になっていないか)
- 腰を痛める姿勢で弾いていないか
- ストラップを併用し、常に高さを一定に保てているか
フォームが崩れると、角度も最小動作も維持できません。
鏡やスマホ動画で自分のフォームを客観的にチェックするのがおすすめです。
② 左手は“別メニュー”で鍛える
右手が整っても、左手の運指に癖が残っているとノイズやバタつきが発生します。
特に“入れ替え運指”で指を残す癖は要注意。
右手と同時に直そうとせず、左手だけの練習メニューを設けて分離して鍛えると効果的です。
左右のバランスが整って初めて、ピッキング角度の効果も最大限に発揮されます。
■ まとめ:角度とフォームを意識すれば、右手が音楽になる
ギターの音作りで最も影響が大きいのは、機材でもエフェクターでもなくピッキングです。
角度を使い分け、体に無理のないフォームで演奏する。
この2つが揃えば、音は一気に洗練され、演奏そのものが変わります。
順アングルで太く、平行でタイトに、逆アングルで鋭く。
その使い分けを意識することが、上達の最短ルートです。
今日からほんの少し、右手の角度を意識してみてください。
あなたのギターは、間違いなく今より“いい音”になります。

