「有名な劇団を知りたい」と検索すると、名前の一覧は出てきます。けれど本当に知りたいのは、「その劇団では、どんな舞台が観られるのか」のはずです。この記事では、日本の有名な劇団・カンパニーを系統ごとの地図として整理します。ミュージカル系を中心に、演劇系にも触れます。
地図の見方 ― 劇団は「系統」で選ぶ
同じ「劇団」でも、作品の選び方・観客との関係・チケットの取り方まで、系統によって別世界です。まず6つの系統に分け、それぞれの代表を挙げていきます。
1. 作品主義の大規模カンパニー ― 劇団四季
日本で最も多くの観客を動員してきたミュージカル劇団です。ディズニー作品やブロードウェイ作品を日本語版で長期上演する「ロングラン」方式と、誰が出演しても同じ品質を保つ作品主義が特徴。専用劇場を全国に持ち、「初めてのミュージカル」の入口として機能してきました。
2. スター主義のレビュー劇団 ― 宝塚歌劇団
出演者全員が女性で、男性役を「男役」のスターが演じる、100年以上の歴史を持つ劇団です。花・月・雪・星・宙の5組制で、各組のトップスターを中心に作品が組まれるスター主義。芝居とショーの二本立て公演が多く、華やかさは唯一無二です。
3. 海外大作の日本語版 ― 東宝系ミュージカル
劇団というより「製作会社」ですが、日本のミュージカル界では欠かせない系統です。『レ・ミゼラブル』『エリザベート』『ミス・サイゴン』など、海外の大作を日本語版で上演し、主要な役を複数キャストが交代で演じる方式が定着しています。ホリプロなど、他の製作会社も同じ系統に含めて考えると分かりやすいでしょう。
4. 原作ものの舞台化 ― 2.5次元ミュージカル
マンガ・アニメ・ゲームを原作とする舞台の総称です。2003年初演の『ミュージカル テニスの王子様』を草分けに、いまや一大ジャンル。原作を知っている人にとって最短の入口であり、若手俳優の登竜門にもなっています。特定の劇団というより、作品シリーズごとに制作体制が組まれるのが特徴です。
5. 日本オリジナル作品を作る劇団 ― 音楽座ミュージカルほか
翻訳ものでも原作ものでもなく、日本オリジナルのミュージカルを自ら生み出す系統です。音楽座ミュージカルはその代表格で、オリジナル作品の再演を重ねてきました。ミュージカル専門の劇団としてはミュージカル座も知られます。「結末を誰も知らない物語」を歌で体験できるのは、この系統ならではです。
6. 演劇系の有名劇団 ― 音楽劇・小劇場の世界
ミュージカルの枠をやや外れますが、「有名な劇団」として必ず名前が挙がる一群です。音楽と芝居を融合させた大型エンターテインメントで知られる劇団☆新感線、小劇場から全国区になった劇団も多くあります。歌が中心でなくても「音楽が物語を動かす」舞台は多く、ミュージカル好きの次の一歩として相性がよい系統です。
「有名」と「自分に合う」は別です
一覧を眺めて気づくのは、知名度の順と、自分に合う順は一致しないということ。作品で選びたいなら劇団四季や東宝系、人で選びたいなら宝塚、知っている物語から入りたいなら2.5次元、未知の物語を歌で体験したいならオリジナル系 ― 入口は「何を楽しみたいか」で決まります。
初めての観劇で、まず4つの劇団を比較して選びたい方は、劇団ごとの特徴を紹介した記事も参考にしてください。なお、各劇団の上演スケジュールや劇場は変動が大きいため、最新情報は必ず公式サイトでご確認を。
まとめ
日本の有名な劇団は、①作品主義の大規模カンパニー ②スター主義のレビュー ③海外大作の日本語版 ④原作ものの舞台化 ⑤日本オリジナル ⑥演劇系・音楽劇、の6系統で地図にできます。名前を覚えるより、系統の違いを知っておくほうが、次に観る一本を外しません。
そして、劇団の外にも「物語を歌で体験する」形は広がっています。
▶ 幕間に、物語をひとつ読んで聴いてみる
『flehmen(フレーメン)』第1話 ― 猫人間たちのバンド物語、その開幕
聴きどころ:場面に楽曲が流れ込む「読んで聴く」形式。劇団の舞台とは別の入口から、歌で物語に入れます。
→ 『flehmen』第1話を読んで聴く
文責:motet 編集部

