DTM(デスクトップ・ミュージック)を始めたばかりの方にとって、「何から学んで良いのかわからない」「曲を作り始めたけれど完成しない」という悩みはつきものです。
今回紹介するのは、音楽系YouTuber・しいたけビーツさんによる動画「【DTM初心者】最短最速で作曲上達するための学習ロードマップ【勉強のやり方】」です。
動画内では、DTM初心者が迷わず成長するためのステップが具体的に解説されており、筆者自身も非常に整理された内容だと感じました。
ここでは動画の概要を紹介しつつ、個人的な感想や補足も交えながら整理していきます。
動画の全体像
動画では、DTM学習を「作曲 → 編曲 → ミックス → マスタリング」という4段階に分け、それぞれに必要な考え方と取り組み方を示しています。
重要なのは、「好きな曲を真似することが最も大切」と強調している点です。
完全オリジナルを最初から目指すのではなく、リファレンス曲をゴールに設定して少しずつ自分の色を足していく──これはプロの現場でも当たり前に行われているアプローチであり、初心者にとって強力な学習法です。
ステップ1:作曲
しいたけビーツさんは「作曲」を構成・メロディ・コード進行の3要素でシンプルに整理しています。
「まずはリズムが重要」というのがメロディ作りのポイントですね。
メロディの学び方
- 好きな曲のボーカルラインを一音で入力し、あとから音程を変える「リズムコピー」方式で学び始める
- 初心者は小節頭から始めがちなので、半拍遅らせたりアウフタクトで入れる工夫で差別化してみる
コード進行の学び方
まずはCメジャースケールのダイアトニックコードから始めるのがおすすめ。
例えば「Am–F–G–C」の進行は多くのヒット曲に使われており、実践的に役立ちます。
有名なコード進行をとりあえずコピー&ペーストで作ってみるというのが大事です。
ステップ2:編曲
編曲は初心者が最もつまずきやすい部分ですが、動画では料理の比喩を使い「材料(楽器)と調理法(リズムや音域)」を理解することの重要性を解説しています。
特に印象的だったのは、ステムデータを活用して楽器ごとの役割を聴き取る方法。コピーを繰り返すことで、自然と楽器の配置や役割が身についていくのがポイントです。
ステップ3:ミックス
ミックスにおいては、まずは以下の4つを重点的に学ぶべきとされています。
- 音量バランス
- 定位
- EQ
- コンプレッサー
特に音量と定位を正しく整えるだけで「80点のミックス」になるという考え方は、シンプルで実践的です。
また、機材よりも自分の耳を鍛えることが最優先。良いモニター環境を整えるのも効果的ですが、無駄にエフェクトを多用せず基礎を徹底する姿勢が印象的でした。
ステップ4:マスタリング
マスタリングは楽曲の最終仕上げ。EQやコンプでの調整に加え、AIツール(iZotope社のOzoneなど)の活用が紹介されていました。
さらに配信サービスで重要なラウドネス(LUFS)の基準値についても言及されており、具体的な数値(-14LUFS基準、ただし実際は-8~-9LUFSで仕上げることが多い)まで触れているのが実用的でした。
動画を通して感じたこと
しいたけビーツさんの動画は「勉強」よりも「実践」を重視している点が魅力です。
リファレンスを徹底活用し、感覚的に理解してから理論を学ぶという流れは、飽きずに続けるための工夫であり、初心者に寄り添ったアプローチだと感じました。
まとめ:ロードマップの実用性
今回の動画で示された流れを整理すると以下の通りです。
- 好きな曲をリファレンスに設定
- 構成・メロディ・コード進行を真似して作曲
- 楽器の役割をコピーして編曲
- 音量・定位・EQ・コンプでミックスを整える
- マスタリングで音圧と音質を仕上げる
このステップを意識するだけで、初心者でも迷いなく曲作りを進められるはずです。筆者自身も「まずはコピーから」という姿勢を忘れずに取り組んでいきたいと思います。