こんにちは、ねぎとむです!
みなさんにはお気に入りのスティックはありますか?
ドラマーはスティックと共にあると言っても過言ではありません。叩いて、回して、投げて、折って、固くなったネジを緩め、アンプの下に転がり落ちたフェルトを取り、買ったばかりのスティックが折れたら写真を撮って投稿する…。
自分のお気に入りの「1ペアの木の棒」はまさに「相棒」と呼ぶに相応しいでしょう。(棒だけに)
そんな相棒探しに楽器屋に行くと、あまりの種類の多さに驚愕した方も多いのではないでしょうか。
この中から相棒を見つけるのはとても大変です。木の棒とはいえ決して安くない買い物ですし、自分に合わないスティックを買って失敗した…なんて経験したくないですよね。
なので、今回は僕と友人の2人でスタンダードなスティックから変わり種のスティックまで、実際に買って叩いてみたのでレビューします!
※この記事では購入したスティック全14セットのうち6セットを選抜しています。こちらの動画で全種類レビューしているので、興味のある方はぜひご覧ください!動画はこちら
スティックの選び方〜長さ・太さ〜
スティックを選ぶ上で最も重視することは「長さ・太さ」です。これが合わないだけでパフォーマンスがグッと下がってしまいます。
スティックが長く太くなるほど、ショット時にスティック自体の重さや遠心力を使うことができるので、適度に力を抜きつつボリュームを出すことができます。また、太いスティックは握り込む必要がなくなるのでオープンなサウンド(太鼓の胴鳴り)が鳴りやすくなります。
その代わり取り回しがしにくくなるため、速いフレーズが多く出てくると腕に疲れが溜まりやすくなってしまいます。
逆に、短く細くなるほど、ショット時には力んでしまいがちですが、その分繊細な演奏や速いフレーズがしやすくなります。ボリュームこそ稼ぎにくくなりますが、ジャズやポップスアコースティックな演奏にはぴったりなスティックといえます。
スティックの選び方〜材木〜
スティックに用いられる木の代表的な物は「ヒッコリー」・「オーク」・「メイプル」です。
ヒッコリーは硬すぎず柔らかすぎず、重すぎず軽すぎずのオールラウンダーです。スティック選びに困ったらヒッコリーを買っておけばとりあえずOK!そんな材です。
オークはヒッコリーに比べ硬く重い材なので、パワフルな演奏をするハードヒッター向けです。ロックやメタルなどをメインで演奏する方はオークを試しても良いと思います!
メイプルは反対に柔らかく軽い材なので、繊細なタッチを要する演奏に合っています。叩いた際に手に振動がくるのがわかるほど繊細な材なのでジャズなどを演奏する際は買ってみましょう!
スティックの選び方〜重心〜
個人的にかなり重要視しているのがスティックの重心です。目立った重心のないバランスタイプが基本ですが、スティックによってはあえて重心を作っているものもあります。前(チップ側)重心なのか、後ろ(グリップ側)重心なのかは叩き方に大きく影響します。
前重心のスティックは遠心力を使うことができるのでコツを掴めば芯のある、太いタムの音を出せます。しかし、叩き方によっては制御が難しくスティックが暴れてしまう可能性があります。
後ろ重心のスティックは制御性能に長けているので、安定した演奏をすることができます。元々後ろ重心のスティックはあまり見かけませんが、滑り止めテープを巻くと後ろ重心になるので、スティックの制御に困っている方は試してみても良いと思います。 重心についてあまりピンと来ない方は、行儀がかなり悪いですがお箸を使うと分かりやすいです。持つ方を持って叩くと後ろ重心、食べる方を持って叩くと前重心です。
スティックの選び方〜その他〜
他にもチップの形や塗料の有無、値段など比較する点は多々あります。性能なんて一切無視して見た目だけで選ぶのも大いにアリです。スティックを自分に合わせるのではなく、自分がスティックに合わせるスタイルでも良いと思います。なんだか恋愛と似てますね。
さて、ここからいよいよスティックレビューをしていきます!
1本目:VIC FIRTH 5A
とにかくスタンダード、冗談抜きで初心者からガチプロまで幅広く使われているスティックです。
今回のレビューもこのスティックを基準にしているほどバランスの良いスティックなので、最初のスティックにピッタリです。迷ったらこれを買いましょう。
果たしてレビューになっているのかかなり怪しいですが、それほどまでにスタンダードなので自分の個性を出したい方は一度距離を置いても良いでしょう。
2本目:Pearl 7HC
続いて紹介するのはちょっと短めのスティックです。短さに対してそれなりに重量があるので、安定したスティックワークとボリュームが得られます。
手が小さい方や、5Aサイズだとスティックが暴れてしまう方は非常にピッタリなスティックだと思います!
個人的に短いスティックには抵抗がありましたが、その印象を拭い去るほどバランスが良く叩きやすかったです!
3本目:VATER BALL
チップがボール状になっている可愛らしいスティック。
ポールチップはどの角度で叩いても打面が同じになるため、打音が安定するのが特徴です。また、メイプル材を使用しているため手に振動が伝わってきます。
繊細な演奏にうってつけで、ジャズやポップスをやる方はぜひお試しください!
ちなみにロックのようにハードヒットするとしばらく手に痺れが残りました、それくらいジャンルを選ぶスティックです!
4本目:PROMARK TXR5AW
このスティックの特徴は、ラッカーという塗料が塗られていないナチュラルフィニッシュなところです。塗料が塗られていないので木が手汗を吸収してくれて滑るのを防止してくれます。
また、PROMARKのスティックは他のメーカーと比べて重心が前にあるので、初めは少し扱いにくいかもしれませんが慣れると他のスティックには出せない音を出すことができます!
5本目:NOVA 5A
NOVAはVIC FIRTHのセカンドブランドで、惜しくも規格から外れてしまったスティックを安価で販売しています。全体的な特徴はVIC FIRTHの5Aと大きくは変わらず、多少重量が軽いくらいです(個体差があります)。
多くのスティックが2,000円前後する中、このスティックは1,000円を切っているので、スティックをよく折ってしまう方や練習用のスティックとしてもオススメです!
NOVAに限らず他のメーカーのセカンドブランドもいくつかあるので気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか!
6本目:ZILDJIAN 川口千里 Signature Model
楽器屋で一度は気になって手にしたことがあるのではないでしょうか?かの有名な川口千里さんのシグネイチャーモデルで、グリップにラバー塗料が塗られているのが特徴です。
ナイロンチップのこのスティックは、アタックが強く出てシンバルを叩くと煌びやかな音が鳴ります。また前重心なこのスティックは自然と千里さんのフォームになってしまう様な、独特な叩き心地です。
かなり特徴的なスティックですが、非常に考えられた素晴らしいスティックなので気になる方は一度試してみても良いと思います!
終わりに
さて、みなさんは気になるスティックが見つかりましたでしょうか。ドラマーにとってスティックは最も身近なものですが、様々なニーズやこだわりに応えるために趣向を凝らした奥深いものです。皆さんの相棒探しに少しでもお役に立てたら幸いです!
それではまた次回!バイバイ!
今回ご紹介しきれなかったドラムスティックのレビュー動画はこちら!
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