スネアドラムの基礎知識を初心者向けに解説!選び方・パーツ名称・素材などをわかりやすく紹介

スネアドラムといえば、ドラムセットの中でも中心的な存在であり、ビートの核を刻む重要な楽器です。今回は、そんなスネアドラムに関する選び方やパーツ名称・素材などの基礎知識を初心者向けにわかりやすく解説します。

目次

スネアドラムとは

スネアドラムは、小気味の良いスタッカート音を出す膜鳴楽器(まくめいがっき ※張力を持たせて張った膜を叩くことで音を出す楽器のこと)です。ドラムセットの中心に位置するほか、クラシックオーケストラ・ドラムライン・マーチング・パレードなどのさまざまなジャンルでも単体で使用されることがあります。

現代のほとんどの音楽において、4拍子の中の2拍目・4拍目に入れるバックビートを刻むための役割を果たすのがスネアドラムとなっており、バンド全体のリズム形成やグループ・ノリに大きな影響をもたらします

スネアドラムは、ドラムスティック・ロッド・ブラシなどでプレイされ、フープを叩くリムショットや、高速連打を行うロールなど、特徴的で表現の幅の広い演奏方法があります。

スネアドラムのサイズ(口径と深さ)

スネアドラムのサイズを表す口径深さは、全メーカー共通でインチ表記がされています。国内のほとんどのメーカーでは「口径×深さ」で表記されていますが、一部メーカーでは「深さ×口径」で表記される場合もあるため、レンタルや購入時は注意して選んでください。

・スネアドラムの口径

スネアドラムの口径とは、ドラムの打面または裏面の直径のことを意味しています。14インチがスタンダードなサイズとなっていますが、13インチ15インチなども多く用いられるサイズです。10インチ前後のスネアドラムはサブスネアとして使用されることがあります。一般的に、口径が上がるほどピッチは下がる一方、音量は上がります。

・スネアドラムの深さ

スネアドラムの深さは、5インチがスタンダードですが、5.5インチを採用するメーカーも最近は増えています。胴深と呼ばれるスネアドラムは6.5インチ以上のサイズで、大きいものだと9インチ程度のものも存在します。胴浅と呼ばれる3インチ程度のモデルはピッコロスネアと呼ばれます。

スネアドラムのパーツの種類と役割

・ヘッド

ヘッドはスネアドラムの皮の部分を指しています。表面の打面はバターサイドと呼ばれており、以下の通り、素材によって出音も変わってきます。

– コーテッド

白色でザラザラとしたコーティングが施してあり、多くのスネアドラムのバターサイドのヘッドとして採用されている素材です。出音は温かみのあるサウンドで、トーンの倍音も多く、ブラシ奏法にも対応しています。

– クリア

クリアはその名の通り透明な素材になっており、抜けの良い、輪郭のはっきりした音が出るのが特徴です。ロックなどのジャンルで威力を発揮する一方、ブラシ奏法には対応していません。

– ピンストライプ

クリア素材に黒い円が描かれており、高音を抑えたファットな図太い音に調整されたヘッドがピンストライプです。コーテッドタイプの素材のものも存在しており、音作りが簡単で耐久性が高いのが特徴となっています。

・シェル

シェルは、スネアドラムの胴体部分を指す言葉です。一般的なスネアドラムのシェルはメイプル・バーチなどの木材で作られていることが多いですが、金属で作られているものや、アクリル素材・カーボン素材などの特殊素材で作られているモデルも存在します。

・リムフープ

リムフープとは、ヘッドをシェルに固定する金属の枠のことを意味しています。ほとんどのリムフープがスチール製ですが、その他に、アルミ製・チタン製・ブラス製・木製の種類もあります。

・テンションボルト

テンションボルトとは、ヘッドのテンションを調整するためのネジです。出音のチューニングを行うための要となる部品になります。1本でも緩むと音が狂ってしまうため、定期的に緩みのチェックをしましょう

・ラグ

ラグは、テンションボルトを固定し、ヘッドとリムが固定されるようにボルトを取り付けるためのパーツです。ヘッドを常に高いテンションで引っ張っている状態となるため、よく傷む部位でもあり、年に1回程度の交換が必要となります。

・スナッピー

スナッピーは、スネア独自の音を鳴らすための響線のことです。スタンダードなIタイプ、繊細な音色のDタイプ、パワフルな音色のCタイプなど、エンドプレートと呼ばれるプレート部分がどんな形をしているかによって出音が変わるのが特徴となっています。

・ストレイナー

ストレイナーは、スナッピーを接触させたり、離したりするためのレバーのことです。シェルに対して垂直可動するタイプと、並行可動するタイプの2種類があり、並行可動するタイプの方が一般的に利用されています。

・スネアサイド

スネアサイドとは、ヘッドの裏面のことです。バターサイドの打面とは異なり、強いテンションで張った状態にすることが多いのが特徴となっています。なお、スネアサイド専用のヘッドも存在しています。

スネアドラムの選び方

・サイズ(口径と深さ)で選ぶ

スネアドラムの口径は、大きくなればなるほど低い音が、小さくなればなるほど高い音が出ます。また、深さは深くなればなるほど太い音になり、浅くなればなるほどシャープな音になります。

これらの特徴を踏まえた上で、好みの音を出せるように、スネアドラムを口径と深さのサイズで選ぶ方法が考えられます。一般的には、口径14インチ・深さ5インチがスタンダードなサイズです。

・シェルのタイプで選ぶ

シェルは、木製タイプは温かみのある音がしますが、金属タイプはシャープかつパワフルな出音が特徴となります。そのため、プレイする音楽のジャンルや好みによって、シェルのタイプでスネアドラムを選ぶのもおすすめです。

・フープの素材で選ぶ

フープには、抜けの良い出音のダイキャストフープ中音域の伸びが良いプレスフープ木製のウッドフープの3種類があり、フープの素材で選ぶ方法もあります。初心者には、安定した出音が期待できるプレスフープがおすすめです。

・ラグの数や形状で選ぶ

ラグの数で主流なのは、8〜10箇所のラグを搭載したモデルです。数が多いほどタイトなサウンドになり、数が少ないほどオープンなサウンドが期待できます。また、ラグの形としてはオープンな出音のブリッジタイプと、タイトな出音のセパレートタイプの2種類があります。そのため、ラグの数や形状でスネアドラムを選ぶ方法も考えられます。

・スナッピーの本数や取り付け方法で選ぶ

スナッピーの本数は多いほどザラッとしたサウンドとなり、少ないほどタイトなサウンドになります。また、フィルムで取り付けるタイプはよりザラッとした出音が期待でき、紐で取り付けるタイプはブレが少ない安定した出音となります。これらの特徴から、スナッピーの本数や取り付け方法で選ぶ方法もあります。

・見た目で選ぶ

例えば、同じ木製メイプル素材のシェルでも、仕上げ塗装や見た目の色、柄が違うものが多数あります。スネアドラムは、出音についてはもちろん重要ですが、見た目にもこだわって選ぶと、よりドラムセットの個性を強調することができるでしょう。

・好きなドラマーのモデルで選ぶ

特定のバンドの好きなドラマーがいる方は、そのドラマーが利用しているスネアドラムと同じモデルを選ぶのもおすすめです。ドラマーが監修したシグネイチャーモデルがある場合は、それを選ぶのも良いでしょう。憧れのドラマーと同じアイテムを所有することで、ライブや練習へのモチベーションアップにもなります。

まとめ

今回は、スネアドラムに関する選び方・パーツ名称・素材などの基礎知識を初心者向けにわかりやすく解説しました。これからスネアドラムの購入を検討されている方は、ぜひ記事で紹介した内容を参考にしていただき、自分に合ったモデルでの演奏を楽しんでいただければ幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次