こんにちは。
意識低い系ミュージシャンの龍ちゃんです。
「とにかく楽に音楽をする」をモットーに、音楽に役立つ情報を発信しています。
今回取り扱うテーマは「コードの読み方」です。
ただ楽譜を追うだけの音楽から脱却して音楽を楽にできるようにするにはコードに関する理解が必須になります。
というか、コードネームに関しては「ほぼ読めるの前提」みたいな感じで世の中の音楽理論レクチャーというものは進みます。
しかし前提で求められてスッと対応できるほど簡単なものではないのも事実です。
いきなり「Em7♭5」「F#mM7 13」とか出てきてどんなコードなのかイメージがつくという人は少数派でしょう。
実はコードを読んでいくには正しい順序でポイントを押さえていく必要があります。
今回から、この記事を最初として、コードに関する見方、考え方を4段階に分けて解説していきます。
各段階の記事を理解するごとにコードによる演奏が正確に出来ていくような構造になっていますので、焦らず一つ一つ理解していってください。
コードってそもそも何?
コードとは和音のことです…と言われても、それはただ日本語に訳しただけですから解説になっていません。
音楽における音というものは相対的な要素、つまり、とある基準に対してどのような位置にあるかという部分でその性質が語られます。
単品の音それ自体の情緒的な意味合いは薄く、メロディへの感動を生むのは音と音の距離です。
これを「音程」といいます。
ジェットコースターを想像してもらえると分かりやすいです。
ジェットコースターのスリルを演出するに大事なのは一番高いところの標高(海からの高さ)ではなく、「開始地点からの」高さですよね。
音楽においても、それぞれの地点の絶対的な高さはあまり重要ではなく、基準からの距離が主要な要素になります。
さらに音楽は二つ以上の線を同時進行させることが可能です。
「ハモリ」というやつですね。
これに関しても音と音の距離が情緒に関係する要素になります。
ハモリが気持ちよく聞こえるのは、人間にとって気持ちよく聞こえる音程をとって、二本の線が進んでいるからです。
例えば、「完全五度」という音程、距離をとる二音は、「無機質な感じ」「固い感じ」といった情緒を醸し出します。(もちろんこの感じ方は人それぞれです)
コードとは端的に言うと、この「音程」のまとまりを抽出したものです。
イメージとしては綺麗にハモって動いていく音楽を縦に切り出してみていく感じです。
コードに関して「曲の土台」というイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、土台というよりはむしろ土台も含めた、音楽のとある瞬間の雰囲気全体を示すものといった方がいいでしょう。
性質としては、「Aメロ」とか「サビ」とかいう括りに似ています。
ここでは簡単に、「コードとはいくつかの音が同時に鳴ることで生まれる情緒を縦に切り出したものである」とまとめておきます。
次からコードネームの構造についての解説に入っていきます。
コードネームの構造とは?
- 「抹茶クリームフラペチーノ」
- 「抹茶クリームフラペチーノホイップパウダー増量」
- 「抹茶」
- 「抹茶クリームフラペチーノホイップ抜き」
- 「抹茶クリームフラペチーノに市販のラー油をちょい足し」
…コードネームというのはつまりこういうことなのです。
コードネームとは、ベースとなる音が存在し、そこにどのようなトッピングがなされているかを読む・書くという構造になっています。
例として「全部盛り」に近いコードネームを示してみます。
「Cm7♭5 ,9,11」「G7sus4 ♭9」
…実際ここまでのはなかなか目にすることはありませんが、これからの四本で順を追って理解していけば上のような奇妙なコードも読めるようになっていきます。
前置きが長くなってしまいましたが、次の章からいよいよ本題である、「コードネームの読み方」に入っていきます。
今回解説するのはコードの根っこ、「ルート」です。
ルート
コードには「ルート」と呼ばれるものがあります。
「根っこ」という意味です。
簡単に言うとそのコードの主となる音を音名で示したものです。
これが先ほど音名について確認した意味になります。
ルートはコードにおける最も重要な音で、ベースは主にここを重心において弾かないと、コードがコードとして聞こえてきません。
重要性を体感するには耳で聞くのが一番良いでしょうから、試しに聞いていただきましょう。
この音源の曲のコードは「F→G→Em→Am」です。例としてベースに、コードの中には含まれているがルートではない音をずっと弾かせてみます。
どうでしょう。
いまいち聞きづらい感じが否めません。
一方、こちらがそれぞれのコードのルートのみを押さえて演奏した音源です。
ぐっと聞きやすくなりました。
聞き比べてみて、ルートの重要性を聞いて理解することができたと思います。
具体的には何の音を弾けばいいのかというと、至ってシンプルなのですが、「F→G→Em→Am」というコードであれば「F→G→E→A」という単音を追いかければいいというだけです。
つまり、最初のアルファベットをそのまま弾けばいいのです。(コードネームと音名の違いに注意)
コラム「音名」について
音の情報がアルファベットで書かれているというのがそもそも我々にとってなじみがありません。
日本の音楽教育においてはイタリア音名、つまり「ドレミファソラシド」をもちいるのが主だからです。
対してコードネームは英語音名で書かれています。「ドレミファソラシド」は英語では「CDEFGABC」になります。
音名というのはそもそも人が聞き取れる周波数の音波をある法則に従って意図的に88つに切り分けた、ひとつひとつの周波数につけられているものです。
しかしアルファベットの音名が88個用意されているわけではもちろんありません。
なぜCからBの七種類で基本となる音名がたりているのかというと、とある音の二倍の周波数の音は非常に聞こえ方が似ているため、同じ音名として扱われるからです。
聞こえ方が似ているというとイメージが付きづらいかもしれませんが、例えば校歌をみんなで歌うときに斉唱であれば男女関係なくおなじメロディを歌えることを想像してもらえばわかると思います。
男性の歌う音、女性の歌う音はそれぞれ違う周波数ですが、二倍という明確な関係があるため、同じメロディとして聞こえてくるのです。(この周波数二倍の関係がいわゆるオクターブというやつです)例えばCといったら「32.703×2のn乗ヘルツの音」という意味になります。
そしてさらに音名に#がつくとその音の半音上、♭がつくとその音の半音下という意味を示します。半音というのは「十二平均律」というルール上での音の高さの最小単位です。
たとえばC#はCの半音上、D♭はDの半音下です。
コードはひとまず音名を単音で追いかければいいというのは、とある例外は除き、どんなに複雑なコードネームであったとしても変わらないルールです。
まず宣言されるのは「ルートがどの音か」ということになります。
CならCがルート、DmならDがルート、F#dimならF#がルートです。どんなに長ったらしい文字がそのあとについていたとしても、ルートは最初に宣言された音になり、基本的にそれがコードの構造の中で一番下に来ることになります。
そしてこのように表記されているコードが唯一の例外です。
オンコードと呼ばれるものです。
例えばF/Gと表記されていたら、読み方は「F on G」になります。
考え方としては中学の時にならった通り、「FがGの上にのっている」というようになります。
つまり、オンコードの場合のみ、スラッシュの後ろに来るものがベース音になります。
ただオンコードの場合、ルートはFであると考えた方がよいです。
少々ややこしい話になりますが、ルートというのはあくまでその上のトッピングを語るうえでの基準になる音ですから、例えばF/Gが宣言されたら「ベースGの上でルートFのコードがどうふるまうか」という枠組みが出来上がることになります。
演奏してみよう
先ほど耳で体感してもらった通り、ルートを押さえるということは演奏においてとても重要になります。
むしろ、下の音はルートさえ弾いていれば曲として聞こえるといっても過言ではありません。
もちろんコードネームを読んでコードの音すべてを把握して演奏することができるのが最終目標にはなるのですが、それをいきなりやろうとするのは賢明ではありません。
音楽理論の習得には何よりも実践が大事です。
まずは、「ルートだけでコードを弾いている気分になって演奏する」練習をしてみましょう。
まず、音名と自分が鳴らしたい音がリンクしないことには始まりません。
ここはかけ算の九九のようなもので、何はともあれ暗記するしかない領域です。
現時点では「根気強く指板、もしくは鍵盤の位置と音名を対応させよう」としか言えないのですが、音名を覚えるコツ的なものも今後自分なりに書けたらと思います。
指板を覚えるコツに関しては、参考となる動画を添付しました。
動画引用元:ギターの指板上にある音名の仕組みと覚え方
音名と鍵盤及びフレットの位置が自分の中である程度対応したら、コード譜面が乗っているサイトを調べ、曲が上に乗っかっているのを想像しながらルートだけを弾いてみましょう。
できるだけtab譜や五線譜の情報ではなくコードネームの文字情報を追いかけて弾くというのがポイントです。
持っている楽器がベースの人は単音になりますが、ギター、キーボードの方々はルート音をオクターブで弾いてみると多少コードらしさが出てくるので楽しいです。
また実際にコードのルート以外の音を弾くとなった時にもオクターブは抑えてそこに音が足されるということが多いので、手に覚えさせてしまうとよいでしょう。
音名をすらすら追えるようになってきたら次の記事に進むというのを目安にしてみてください。
まとめ
今回はコードネームの中での最重要要素である「ルート」について解説してきました。
馴染みが薄い英語音名になれることがまずは大事です。
実際に演奏してみて着実に感覚を身につけましょう。
次はいよいよ複数の音を重ねる段階に移ります。
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