― 耳コピが一気にラクになる“7つのコード”の考え方
こんにちは、伊藤優人です。
今回のテーマは、動画でも解説されていた**「ダイアトニックコード」**。
名前だけ聞いたことがあるけど、
- 結局“何のコード”のこと？
- CコードやGコードと何が違うの？
- 耳コピにどう役立つの？
と感じている人も多いと思います。
結論から言うと、**ダイアトニックコード＝「そのキーの中で“基本的に使っていい7つのコード」**のことです。
あるキーを一つ決め、そのキーのスケール（音階）からだけ作ったコード群がダイアトニックコード。
これがわかると、耳コピや作曲で「候補のコードが一気に7個まで絞れる」ので、効率が爆上がりします。
1. ダイアトニックコードって、ざっくり何？
まず定義から整理しておきます。
- キー（Key）
その曲の“主役”となる音（主音）を決め、「この音階の世界で音楽をやろう」というルールのこと。 - スケール（Scale）
そのキーの中で使う7音を、決まったパターンで並べた“音階”。 - ダイアトニックコード（Diatonic Chords）
そのスケールに含まれる音「だけ」を使って作られたコード（和音）群。UtaTen+1
つまり：
「このキーで、基本的に“普通に”よく使う7つのコード」
＝ ダイアトニックコード
というイメージでOKです。
2. 具体例：キーCのダイアトニックコード
一番わかりやすいのがキーC（ハ長調）。
Cメジャースケールは
C・D・E・F・G・A・B
この7音だけを使って、1つ飛ばし（1・3・5度）でコードを作ると、次の7つになります：しふの音楽ブログ
- I：C（Cメジャー）
- II：Dm（Dマイナー）
- III：Em（Eマイナー）
- IV：F（Fメジャー）
- V：G（Gメジャー）
- VI：Am（Aマイナー）
- VII：Bm7♭5（Bマイナーセブン・フラットファイブ）
このI〜VIIの“縦1列”が、そのキーのダイアトニックコードです。
動画で出てきた「表」は、この7つをキーごとに並べた一覧表、というわけですね。
ポイントは：
- どのキーでも、ダイアトニックコードは必ず7つ
- 2度・3度・6度はマイナーコードになりやすい（II, III, VI）
- 7度は特殊な m7♭5（ハーフディミニッシュ） になる（Bm7♭5など）
という“型”がすべてのキーで共通していることです。
3. どう便利なの？耳コピ・作曲での使い道
動画の中でも触れられていたように、実践的なメリットはここ。
① 耳コピで「選択肢が7つまで絞れる」
曲を耳コピするとき、理論ゼロだと
「世界中のあらゆるコード」
から探すことになります。
でもダイアトニックコードを知っていれば：
「まず、このキーの7つのコードのどれかだろう」
とあたりをつけられます。
さらにVII（Bm7♭5など）は登場頻度が低いので、実質6候補くらいまで絞れることも多いです。しふの音楽ブログ
② 「1度・4度・5度」の匂いがわかってくる
同じCコードでも、
- キーCでのⅠ（主役）としてのC
- キーFでのⅤ（引っ張る役）としてのC
- キーGでのⅣ（橋渡し役）としてのC
…と、“何度のコードか”によって役割や雰囲気が変わるのがダイアトニックの面白いところ。gitarbass.com
動画でもあった通り、
「お、今Ⅴ（5度）の匂いするな…」
みたいに感じられるようになると、プロは**“匂いで耳コピしている”**状態になります。
4. ノンダイアトニックコードって何？
動画中で触れられていたノンダイアトニックコードは、
そのキーのスケール“外の音”を含むコード
のことです。
例：キーCの世界では
- C、Dm、Em、F、G、Am、Bm7♭5 がダイアトニック。
- でも、突然「E♭」や「Dメジャー」が出てきたら、それはノンダイアトニックコード。
こういうコードは、
- 「おっ？ ちょっと違う雰囲気になったぞ」
という違和感・スパイスを作るためによく使われます。 - 「常に正攻法」＝ダイアトニックコード
- 「たまに裏技」＝ノンダイアトニックコード
くらいのイメージでOKです。
5. 他のキーでもパターンは同じ
キーCで理解できたら、他のキーも考え方はまったく同じです。
- そのキーのメジャースケールを作る
- 1・3・5度でコードを積む
- 7つ並べたら、それがそのキーのダイアトニックコード
そして、どのキーでも：
- I：メジャー
- II：マイナー
- III：マイナー
- IV：メジャー
- V：メジャー
- VI：マイナー
- VII：m7♭5（もしくはディミニッシュ）
という“並びの性格”は固定です。
だからプロは、
「この曲キーGだから、I〜VIIはだいたいこういう顔ぶれだな」
と、表を覚えなくても頭の中で組み立ててしまうわけですね。
6. 実践的な覚え方・練習のヒント
最後に、動画のノリに合わせて実用的な使い方をまとめます。
✅ ステップ1：キーCだけでいいから完璧にする
- C：Ⅰ
- Dm：Ⅱ
- Em：Ⅲ
- F：Ⅳ
- G：Ⅴ
- Am：Ⅵ
- Bm7♭5：Ⅶ
を、「耳」と「指板」でセットで覚えましょう。
✅ ステップ2：よく出る進行の“度数”で覚える
例えば：
- C – F – G – C → Ⅰ – Ⅳ – Ⅴ – Ⅰ
- Am – F – C – G → Ⅵ – Ⅳ – Ⅰ – Ⅴ
この「度数」でのパターンを頭に入れておくと、キーが変わっても同じ感覚で弾けるようになります。