ギターを弾く時の音色を決定づける機材がエフェクターです。今回は、おすすめのギターエフェクターや、初心者が知っておくべき正しいつなぎ方・選び方・種類などを詳しくお伝えしていきます。この記事をぜひ参考にしていただき、ご自身の求める音色を実現するエフェクターを見つけ出してください。
ギターのエフェクターとは
エフェクターとは、アンプとエレキギターの間につなぐことで、音を変えることができる機材です。エフェクターを使うことで、パワフルな歪ませたサウンドや、広がりのあるサウンドなど、さまざまな音色を作って鳴らすことができます。
ライブでギタリストが足元に機材を並べて、それらを踏み込んで音色をコントロールしているシーンを見かけることがあるかと思います。その足元にある機材がエフェクターです。
エフェクターは、さまざまなサウンドでプレイしたいエレキギタリストにとって、なくてはならない装置だと言えます。
エフェクターのつなぎ方
・エフェクターの基本的なつなぎ方
アンプとギターの間にエフェクターを1台つなぎたい場合、以下の準備が必要となります。
まずは、使用したいエフェクターを用意します。そして、電源となるACアダブターまたは9V電池を用意してエフェクターに電気を供給しましょう。さらに、エフェクターのINPUTとギターをつなぐケーブルと、エフェクターのOUTPUTとアンプをつなぐケーブル、合計2本のケーブルを用意してください。
エフェクターをたくさん揃えるのが難しい方でも、これらを準備することで、エフェクターの音色を活用してギターをプレイする準備は完了となります。
・複数のエフェクターをつなぐ場合
アンプとギターの間に複数のエフェクターをつなぐ場合は、エフェクター同士を「パッチケーブル」と言う短い接続専用ケーブルでつなぎます。
なお、エフェクターをつなぐ順番によって音色も変わります。
▼エフェクターの接続例
- ギター→ディレイ→ディストーション→アンプ
- ギター→ディストーション→ディレイ→アンプ
上記2種類のつなぎ方の場合、①はディストーションを操作するとディレイの音に対しても変化が加わるのに対して、②はディストーションで変化させた音にディレイが加わります。
①②どちらを選ぶかは好みの問題となりますが、エフェクターがつなぎ方によって音色が変わる事実は知っておきたいところです。
ギターエフェクターの選び方
・音楽ジャンルで選ぶ
まず、ギターエフェクター選ぶときは、演奏する音楽ジャンルに合う音色のものを選びましょう。例えば、ロックには歪み系のエフェクターが必須になりますし、ジャズなどでクリーンなサウンドを響かせたい場合は、ディレイやリバーブなどのエフェクターが必要になります。
プレイしたい音楽ジャンルでギタリストがよく使っているエフェクターを選ぶと良いでしょう。
・ブランドやメーカーで選ぶ
定番のブランドやメーカーのギターエフェクターを選ぶことで、安定したサウンドを得ることができます。例えば、「BOSS」というメーカーはエフェクター業界の中でも大手で、幅広い層のギタリストが愛用しているブランド・メーカーのひとつです。
はじめは多くの人が愛用している信頼性の高い定番ブランドのギターエフェクターから選んでみましょう。
・好みの楽曲をプレイしているギタリストから選ぶ
ギタリストの音作りは、1つのエフェクターで完結することは稀です。また、多くの場合は複数のエフェクターをつなぎ合わせてサウンドを作り上げています。
そのため、好みの楽曲をプレイするギタリストの音作りを参考にするために、そのギタリストがどんなエフェクターを使っているのかを検索して、同じエフェクターを揃える方法もおすすめです。
・デザインで選ぶ
ギターエフェクターは音色だけでなく、見た目のデザインもさまざまな種類があります。そのため、好みの見栄えのデザインで選ぶのも良いでしょう。キュート系やクール系など、足元を好きなデザインのエフェクターで統一すると、ステージでの存在感も一段と増すことでしょう。
ギターエフェクターの形式の種類
ギターエフェクターの形式は大きく分けて2つあります。
・コンパクトエフェクター
コンパクトエフェクターには、1台につき原則1種類の音色エフェクトが搭載されており、つまみを操作することで感覚的にエフェクト調整を行うことができます。複数のエフェクターをつなぎ合わせて音色を作りたい場合はコンパクトエフェクターを選ぶのがおすすめです。
・マルチエフェクター
マルチエフェクターには、1台に複数の音色エフェクトが搭載されているタイプのエフェクターです。
コンパクトエフェクターを複数購入してつなぎ合わせる手間を省けるため「どのエフェクターを用意すれば良いのかわからない」といった初心者にもおすすめです。
ギターエフェクターの音色別の種類
・歪み系
「歪み(ひずみ)」とは、ギターアンプに過大出力を与えることで、回路の限界値を超えて出力音が潰れる状態の音質のことを意味します。音の特徴としては、ロックやメタルなどで聴くハードなエレキギターサウンドをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
以下に、歪み系エフェクターの主な種類を紹介します。
– オーバードライブ
オーバードライブのギターエフェクターは、マイルドな歪みサウンドが得られます。真空管アンプをドライブさせたような音が特徴で、最近では歪みをプラスするブースターとしても活用されるようになっています。
– ディストーション
ディストーションのギターエフェクターはオーバードライブよりもハードな歪みの音色を出力することができます。80年代以降、ハードロック人気と共に活用するギタリストが増え、現在ではより強烈な歪みを生み出せるものも発売されています。
– ファズ
濁った、潰れたような独特の歪みサウンドが特徴のファズは、60年代後半から流行している歴史的にも古いエフェクターです。種類によっては音色とは呼べなくなるほど音が潰れるファズも存在します。
・空間系
「空間系」とは、トンネル・スタジオ・ホール・洞窟などでギターをプレイしているような、残響音の広がりをもたらしたり、山びこ効果を追加したりする機能を持つエフェクターのことです。
以下に、空間系エフェクターの主な種類を紹介します。
– ディレイ
ディレイとは、音を遅らせて出すことで広がりのある音色をもたらす、空間系エフェクターの代表格です。山びこのような効果が得られるのが特徴となっており、ギターソロでのプレイの音色などに重宝されています。
– リバーブ
リバーブは、お風呂やアリーナなどの音が響く場所でギターをプレイしているような広がりのある音色をもたらすエフェクターです。クリーンサウンドとの相性が抜群で、一台は持っておきたい定番ギターエフェクターのひとつです。
・モジュレーション系
「モジュレーション」とは、原音に対して何かしらの変調を加えることを意味しており、位相と呼ばれる音の波を調整する効果をもたらすエフェクターのことを指しています。
以下に、モジュレーション系エフェクターの主な種類を紹介します。
– コーラス
コーラスは、モジュレーション系エフェクターの代表格のエフェクターです。インプットされた音を2つに分け、片方の音を少し遅らせつつ音程を揺らし、もう一方の原音と混ぜて出力することで、音のアンサンブル効果を得られます。
– フランジャー
フランジャーのギターエフェクターはアナログ信号を遅らせて音の遅延を起こすBBD素子を使用して、ジェットサウンドと呼ばれるうねりのある独特な音色を出力します。
– フェイザー
フェイザーはフランジャーと似たエフェクターですが、フランジャーを金属的な波のようにした音色が特徴となります。
・フィルター系
一定の周波数帯域に対してカットやブーストのようなフィルターをかけるエフェクターのことを「フィルター系」と呼びます。
以下に、フィルター系エフェクターの主な種類を紹介します。
– ワウ
フィルター系のエフェクターの代表格と言えばワウです。文字通り、ペダルを踏み込むことで「ワウワウ」といった特殊な音を出すことができます。
– ゲート
ゲートは、一定の音量以下の音をカットする役割を果たすエフェクターです。ノイズをカットするフィルターとして活用できるのが特徴となっています。
・ピッチシフト系
「ピッチシフト系」とは、ギターで弾いた音の音程を自由にずらすことができるエフェクターのことを指しています。
以下に、ピッチシフト系エフェクターの主な種類を紹介します。
– ピッチシフター
音程を変化させることができ、ギターをプレイして入力した音を、3度以上、5度以下、8度(オクターブ)以上など、音を重ねて出すことが可能になります。
– ワーミー
ワーミーはペダルの踏み具合によって、音程を変化させることができるピッチシフターです。ギターをプレイしながら自在に音程を変化させることができるため、トリッキーなプレイが可能となります。
まとめ
今回は、おすすめのギターエフェクターや、初心者が知っておくべき正しいつなぎ方や選び方、種類などを詳しくお伝えしました。今回紹介した内容を参考にして、ご自身の好みに合ったエフェクター選んでみてください。