【名曲で学ぶ映像制作】フィンガー5「学園天国」リリックビデオ作ってみた:準備編

今回はAfterEffectを使ってフィンガー5の名曲「学園天国」の映像アレンジをしていきたいと思います。

①楽曲・アーティストの紹介

フィンガー5とは?

フィンガー5(フィンガーファイブ、Finger 5)とは、男女混合歌謡アイドルグループ。主に1970年代に一世を風靡した。沖縄県出身の男性4人と女性1人の5人兄妹が踊りながら歌い、四男の晃は変声期前のハイトーンボイスでメインボーカルを担当し、彼らの歌唱力やルックスなどが人気を博してミリオンセラーとなる。フィンガー5という名前はアメリカで絶大な人気を誇っていたJackson5を意識して母親が名付けたという。
「恋のダイヤル6700」「学園天国」「個人授業」など数多くのヒットソングを残している。
Wikipedia参照)

学園天国とは?

今回の「学園天国」はフィンガー5の4枚目のシングルA面で販売されました。
作詞は「勝手にしやがれ」や「ペッパー警部」などを手掛けた阿久悠さん、作曲は「ブルーシャトウ」や「2億4千万の瞳」で知られるブルーコメッツの井上忠夫さんが手掛けています。

昔の曲を聴いているとタイトルは知らなかったけど歌だけ知っているそんなことがありませんか?他のアーティストがカバーしてたり、アニメやドラマのタイアップソングになっていたり知らず知らずのうちに聴いていることがあるんですね。学園天国は私にとってまさしくそんな曲の一つでした。

小泉今日子さんやFLOW、Dream5、または吹奏楽アレンジなど多種多様なアレンジがされました。
それではリリースから半世紀近く経った今でも色褪せない名曲「学園天国」映像アレンジしていきましょう!

②作例紹介・参考動画の考察

まず今回作った映像はこちら。

学園天国文字リリックビデオ

冒頭の「HEY!」の繰り返しが印象的だったのでそこに絞っていくつかパターンを作ってみました。
作り方は単純なので、早速準備していきましょう。

今回は初回なので一つ一つ作業工程の説明をしていきますね。

メモを書く

作る前にまず大体のイメージを書き出します。「学校、青春、ポップ、オレンジ」など思いついたことは全て一回書き出してみます。スマホのメモでも、紙に書いても自分がやりやすいもので構いません。こういうメモは制作につまった時のヒントになるので何か思いついたらとにかく書き出すことをお勧めします。

ここで何も思いつかなくても大丈夫です!詰まったなと感じたら飛ばして次の作業に進んでしまいましょう。

次は大事な資料探しです!

映像資料の探し方

私は映像制作の準備で最も重要なのは資料探しだと考えています。アイデア出しや絵コンテも大切ですが、何を、どうして、どうやって作るのか?が決まるからです。資料探しをしっかりすることで制作の軸がはっきりすると考えています。

具体的な方法としてはYouTubeやPinterestなどをおすすめします。これに限らず探せば色々あるので、自分が好きなものを探すのも楽しそうですね。

私はYouTubeなら「資料」というプレイリスト、Pinterestは曲名でタグを作ってその中に全部入れています。今回はこんな感じですね。後で違うなと思ったら消せばいいいだけなのでガンガン入れていきましょう。
作るヒントになればいいので全く違うものができても問題ありません。

今回は特に次の動画を参考にしました。

【文字PV】うっせぇわ/Ado【After Effects】

元の楽曲:うっせぇわ/Ado

参考ポイント
0:40~サビ前の歌詞が吹き出しとして次々と出てくるカットを参考にしました。
それではこれがどうやって作られているのか考察してみます。

作り方の考察

 簡潔に手順を考察してみます。

  1. 吹き出し素材を用意する
  2. 素材を配置
  3. タイミング調整
  4. モーションブラーとイージーイーズをかける
  5. カメラワークを設定する

それぞれを説明する前にモーションブラーイージーイーズと聞きなれない言葉が出てきたので、意味を確認してみましょう。

もう知っているという方は飛ばしてお読みください。

モーションブラー
簡単に言うと素材を動かした時にできるブレを表現するための機能です。動きが速い物体を見るとそこにはブレがあります。モーションブラーはそのブレを再現して実際の目やカメラの見え方に近くなるのでリアルに感じるようです。

参考動画では新しい吹き出しが飛び出てくる勢いを再現するのに使われているのではないかと。
(ブレのイメージが湧かない方は手でもペンでもなんでもいいので素早く動かしてみてください。動かしているものの残像やブレが見えるはずです。)

イージーイーズ
こちらは動きに緩急をつける機能です。今回のようなテキストや図形のアニメーションを作る際によく使われます。イージーイーズをかけないと素材は等速で動きます。手動で緩急をつける方法もありますが、特に意図がなければかけた方が後からの調整も楽です。

「なぜ動きに緩急をつけるのか?」についてはメイキングで説明します。
どちらもかなり使うことになるので操作方法を覚えておくと良いかもしれませんね。

それではここからは考察をより深めてみましょう!

①.③.⑤については後ほどお話ししますので、まずは②素材の配置について。
0:40~からは追い立てるように、狭い空間に次々と吹き出しが登場していきます。前の文字が見えないように重ねたり、方向を変えて飛び出ることで歌詞のリアルタイムさとサビまでの緊張感が出ています。ではこれが例えば同じ方向から同じサイズの吹き出しが出てくるだけならどうでしょう?吹き出しが次々と飛び出すという部分は変わりません。しかし前者ほどの緊張感は出ないように思います。

このことからズバリ!素材配置のポイントは素材の大きさ、動く向き、配置を意識することだと考えられます!

次に④モーションブラーとイージーイーズの機能については先ほど説明しました。では実際にこの2つが使われていると仮定してどんな効果をもたらしているのか考えてみます。

吹き出しが止まる瞬間を見てみてください。機械的にピタッと止まるのではなく勢い余って少し反動があるような動きになっています。物体が止まる時は反動があります。スピードや勢いが強ければ強いほど反動も大きくなります。ここでモーションブラーとイージーイーズを使うことで素材が動くスピードや見え方のニュアンスを表現することができてるのではないでしょうか。

このことからモーションブラーとイージーイーズを使うポイントは素材の動くスピードに合わせたらどんなふうに動くのか意識することだと考えます。左から右に移動するだけでも、どのくらいのスピード、強さを持って動かすのか意識するとより迫力が出そうですね!と言っても難しいので、自分が気持ちいいと感じるタイミングで入れてみるのがいいと思います。

AfterEffectメイキングへ

以上、今回は楽曲・アーティストの紹介と参考動画の考察をメインに書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回からはいよいよメイキングです。今回説明しなかった素材の準備・タイミング合わせも併せて説明するのでお楽しみに!

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
メイキング編へ続きます。

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